2017 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の水のホメオスターシス(恒常性維持)と高齢者骨格筋のニュー・コンセプト
Project/Area Number |
15KT0003
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
杉本 直俊 金沢大学, 医学系, 准教授 (80272954)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北浦 孝 金沢大学, 国際基幹教育院, 准教授 (00143868)
大西 範和 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (20176952)
西村 直記 日本福祉大学, スポーツ科学部, 准教授 (40278362)
松本 孝朗 中京大学, 体育学部, 教授 (60199875)
米田 貢 金沢大学, 保健学系, 准教授 (70334787)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 筋肉 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、猛暑続きのなか、高齢者の熱中症は社会問題となっている。高齢者をとりまく様々な因子(高齢者の独居、老老介護、地球温暖化、都市化によるヒートアイランド、高齢者のやせ、サルコペニアなど)が高齢者の熱中症発生に関与していると考えられる。高齢者の熱中症のなり易さや高齢者の生理機能と身体組成を再考すると、高齢者骨格筋の働きは『運動器』や『熱産生器官(熱源)』(旧来のコンセプト)だけではなく、水を貯蔵して緊急時にはそこから水を血液(血漿)へ供給するという今まで見落としていた働き(ニュー・コンセプト)が存在することに気付く。本研究の目的は、高齢者骨格筋のニュー・コンセプトの証明と“筋の水代謝の解明”から「高齢者が脱水にならないための“からだづくり”」の情報・提言(指導・支援・刺激の“3S運動”)を発信することである。平成29年度(3年目)の取り組みと行ったことは、以下である。 (1)高齢者、若年者を対象として体水分量と発汗量の関係の解析を開始した。高齢者や若年者の生活習慣等にばらつきが多く、その点も考慮した比較検討が今後の課題と考えられた。 (2)約23月齢の高齢マウスを用いた解析を開始した。 (3)生体内での水の移動は、水輸送体である水チャネルの役割は大きい。炎症の模倣により水チャネルの発現が亢進することを見出すとともに、炎症シグナルをブロックするとその亢進が抑制されることを見出した。 (4)熱中症予防の啓蒙を、学会発表などで実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒトでの検討、動物での検討、そして啓蒙など概ね順調に進展していると思われる。本年度の結果は、次年度での研究推進に極めて有用であると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も継続して、ヒトでの検討、細胞での検討、動物での検討、そして啓蒙などを進めていく。
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Causes of Carryover |
残金理由 一部の研究消耗品の購入を次年度に繰り越した。また、情報収集などの活動や成果発表などの一部も次年度に繰り越した。
研究費使用計画 研究体制は中部地方をカバーしている。そのため研究分担者の交流、意見交換など、また、啓蒙のためのシンポジウムやセミナー、情報収集などの活動の経費に充てるとともに、研究消耗品購入などの実験推進や、成果発表活動などの経費にも充てる。50万円以上の物品の購入はない。
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Research Products
(4 results)