2018 Fiscal Year Annual Research Report
Anthropological Study on the Formation and the Function of the "Culture of the Aged"
Project/Area Number |
15KT0008
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
内堀 基光 放送大学, 教養学部, 客員教授 (30126726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 美知夫 京都大学, 理学研究科, 准教授 (30322647)
加賀谷 真梨 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (50432042)
広瀬 洋子 放送大学, 教養学部, 教授 (80208884)
小谷 真吾 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (90375600)
高橋 絵里香 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (90706912)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 老人学 / 異世代間関係 / 高齢者ケア / 生涯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は「老い」をめぐる文化に関して、多角的な視点から社会間の比較および種間比較を行い、それぞれの社会に生きる個々の人間にとって「老い」がもつ正負の価値を人類学的に秤量することである。方法的には「人間の生涯」の意義を「老い」から遡行的に語る回顧生活史の収集と、日常生活における老人同士および老若世代間のインタラクティブな交渉の観察を主要なものとする。これにより実践面まで含めて「老い」に文化がいかに関わるかという議論に貢献する。 最終年度(2018年度)には研究代表者の内堀と分担者の小谷は研究協力者1名とともにマレーシア・ペナン市で開催された第12回国際狩猟採集民学会において「生涯研究」と「老年研究」に関する分科会を主催した。分担者高橋はIUAES(国際人類学民族学ユニオン)第18回世界大会、日本文化人類学会第52回研究大会でフィンランド高齢者に関わる発表を行った。分担者中村は第27回国際霊長類学会の招待講演でマハレの雌チンパンジーに焦点を当てた個体間関係についての招待講演を行った。 現地調査として内堀はマレーシア・サラワク州におけるイバン人住民の集落および都市での異世代間関係の観察資料収集を行った。小谷、高橋、加賀谷も各自専門とする地域社会(マレー半島、フィンランド、沖縄)において、高齢者の社会的位置づけについて調査し、広瀬は、全米117大学内に50歳以上を対象に低料金で無単位コースを提供するThe Osher Lifelong Learning Institute(77年設立)に焦点をあて、カリフォルニア大学サンディエゴ校で調査を行い、高齢者全体の高等教育のニーズ、若者との交流、知覚や運動機能の衰えを補う情報技術のアクセシビリティの向上等高齢者の学びを中心に観察と聞き取りの資料を得た。中村はマハレ地区のチンパンジーの個体追跡のなかで高齢個体に注目した調査を行った。
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Research Products
(10 results)