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2015 Fiscal Year Research-status Report

医薬品候補化合物の副作用発症確率を予測する数理モデルの創成

Research Project

Project/Area Number 15KT0017
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

高木 達也  大阪大学, 薬学研究科, 教授 (80144517)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 日比 孝之  大阪大学, 情報科学研究科, 教授 (80181113)
岡本 晃典  大阪大学, 薬学研究科, 招へい教員 (70437309)
川下 理日人  大阪大学, 薬学研究科, 助教 (00423111)
Project Period (FY) 2015-07-10 – 2019-03-31
Keywords重大副作用 / JADER / Random Forest
Outline of Annual Research Achievements

教師データとしては、データ保有数の多い、医薬品医療機器総合機構(PMDA)が公開している副作用報告のデータベースJADER、及び、米食品医薬品局(FDA)が公開している副作用報告のデータベース(AERS)を取り扱う予定であるが、今年度はまず、JADERに着目した。また、対象とする有害事象としては、以下の7種類に絞ることにした。
1)スティーブンス・ジョンソン症候群(SJS)、2)横紋筋融解症、3)白質脳症、4)悪性症候群、5)中毒性表皮懐死融解症(TEN)、6)QT延長症候群、7)可逆性後白質脳症症候群。
以上の対象副作用の被疑薬として報告されている医薬品を抽出したところ1301種類となった。このうち、報告数が2例以下の場合は、報告がないものとし、3例以上のもののみ、副作用報告が存在するとして取り扱った。これは、例数が少ない場合、被疑薬の取り違えなどにより、本来副作用の原因でない医薬品が原因医薬品とされている可能性を除去するためである。
これらのデータを、Random Forest 法により判別分析にかけたところ、正答率(Acc)で、0.560、0.532、0.727、0.667、0.589、0.594、0.724と60%前後の結果を得た。特に、悪性症候群、可逆性後白質脳症症候群に関しては、比較的満足できる結果を得た。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本プロジェクトは4年計画であり、初年度は基本的なシステムの設計と、一定の予測精度を持つシステムの構築に当てる予定であった。基本的なシステムとしてRandom Forestが一定の予測精度を示すことができ、外部バリデーションを用いても、7種の重大有害事象のうち、2種で当初の想定を上回る予測精度を上げることができたことは、他の5種類の予測精度が当初の想定に僅かに達していないとは言え、ほぼ、予定通りに計画が進行していると言える。また、正答率が70%を上回る結果が得られた場合は、一つの有害事象の予測結果を他の有害事象の予測結果の記述子とする、当初想定された、「横のつながりがある」予測システムの構築に繋げることができる。この面からも、本研究計画は、おおむね順調に進展していると考えている。

Strategy for Future Research Activity

1.データの整理の様々な方法を検討したところ予測精度を改善することができたので、今後はこれらの方法の組み合わせを試したり、新たなより良いデータの整理の方法を試みる。
2.ランダムフォレスト以外のサポートベクターマシーンなどの他の機械学習も検討する。
3.PMDAのデータだけでなく、FDAのデータも使う。
4.予測モデルに使用された記述子に関し、特に3次元記述子を中心に考察を行う。現在の所、想定された化合物に関し、重大有害事象をもつ確率を計算することはできるが、位相幾何学的記述子が含まれるため、どのような化合物を設計すれば防ぐことができるかに関し、情報を得ることが困難である。従って、当該情報の取得が容易な記述子を優先的に用いるなどの工夫を行う予定である。
5.良好な予測結果を示す有害事象に関しては、その予測結果を他の有害事象予測のための記述子とし、より良好な予測結果を期待できるシステムが構築できる。平成28年度後半には、このようなシステムの構築に挑みたいと考えている。
6.現在までに得られた結果を学会発表すると同時に、満足すべき結果が得られた場合は、速報として論文化する。

Causes of Carryover

当初、サイバーメディアセンターの高速計算機システムを使用する予定で、計算機使用料を申請していたが、一つは、「横のつながりがある」複雑なシステムの構築より、単純なシステムの構築を優先させ、そののち、複雑なシステムの構築にとりかかる段階を踏む手法を採用したため、平成27年度は、高速計算機システムの利用が不要となった。このため、次年度使用額が発生した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

今年度は、後半に、「横のつながりがある(一つの有害事象の予測結果を他の有害事象の予測のための記述子とする)」より複雑なシステムの構築に挑む予定であるため、高速な計算機の利用が不可欠になる。パラレルな計算機の利用のため、1-2台のGPGPUをさらに購入し、並列に動作させるか、サイバーメディアセンターを利用するか、どちらにしろ、前年度の余剰予算が必要となってくることは避けられないと思われる。

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Published: 2017-01-06  

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