2015 Fiscal Year Research-status Report
防犯カメラ映像の裁判における証拠能力を担保するための数理基盤
Project/Area Number |
15KT0021
|
Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
小西 克巳 工学院大学, 情報工学部, 准教授 (20339138)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 利博 東京理科大学, 工学部, 教授 (00190140)
|
Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2019-03-31
|
Keywords | 動画像推定 / 信号推定 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、防犯カメラ等で撮影された人物行動の映像が、裁判における証拠能力を担保する ための新しいモデリング手法と分析手法の導出が目的である。これを実現するため、防犯カメラ等で撮影された人物の行動を数学モデルで表現し、撮影された映像の裁判における証拠能力を担保するための数学基盤を構築する。本年度は、防犯カメラ映像に映った人物の障害物に隠れた間接部位の位置を推定する手法の導出と検証実験を行った。障害物に隠れた間接部位の位置を推定する手法として、2種類のアプローチで研究を進め手法を導出している。1つは、データベースモデルに基づく手法で、Just-In-Time法に基づく手法である。歩行者の関節部位の時系列データをデータベースとして蓄積し、障害物に隠れた関節部位があるとき、このデータベースから類似した時系列データを検索し、観測できなかった関節部位の位置を推定する手法である。データベースは歩行者どう画像から作成するが、カメラ映像では、角度や距離により歩行者の大きさが異なることや、歩く速さが異なる。このため事前に膨大なデータを蓄積しておく必要があった。本研究では、これらを適切に正規化することで、少ない蓄積データから効率よく検索し、未知の時系列データを推定する手法を導出した。2つ目のアプローチは、パーティクルフィルターによる推定手法である。パーティクルフィルターはカルマンフィルタの考え方に基づく時系列推定手法であるが、時系列データの一部分だけが欠損している場合には、適用が難しいという問題があった。そこで、適切な修正を加えたパーティクルフィルターに基づく手法を提案した。両手法ともに、実際に撮影された動画による検証実験で、その有効性を確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、提案する2つのアプローチを融合したセミパラメトリックモデルの提案を行い、防犯カメラ等で撮影された人物行動の映像が、裁判における証拠能力を担保する ための新しいモデリング手法と分析手法の導出する。
|
Causes of Carryover |
予定していた研究補助者の雇用が、学生の都合によりキャンセルとなったため。 国際会議発表1件が、不採択のため発表できなかったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究補助者の雇用、および、国際会議での発表に用いる。
|
Research Products
(2 results)