2016 Fiscal Year Research-status Report
寄生植物ストライガの撲滅に向けたケミカルジェネティクス研究
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15KT0031
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
土屋 雄一朗 名古屋大学, トランスフォーマティブ生命分子研究所, 特任准教授 (00442989)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | 食料問題 / ストライガ / 自殺発芽 / ストリゴラクトン受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の最終目標は、アフリカの貧困と食糧危機の根源と考えられている寄生植物のストライガを撲滅するための薬剤を開発することである。ストライガ撲滅の切り札と考えらているストリゴラクトンは、ホスト植物が根から放出するホストファクターであり、ストライガの発芽を刺激する非常に強い活性を持つ。そこで、ストリゴラクトン様発芽刺激物質を土壌に散布することで、ストライガを強制的に発芽させ、枯死に追いやる自殺発芽と呼ばれる方法が考えられてきた。しかし、高額な合成費用からストリゴラクトンを直接農薬として使用することはできないため、安く、安定であり、かつストリゴラクトンと同等の活性を示す化合物の開発が望まれてきた。 本年度は、1フェムトモーラーという極めて低濃度でストライガの発芽を刺激する人工化合物の開発に成功した。スーパーストリゴラクトンと名付けたこの分子は、人工ストリゴラクトンであるGR24と比較して、約10,000倍の活性を持ちつつも、合成費用は約1/30程度である。そのため、ストリゴラクトンを超える活性を持つ分子を開発する、という当初掲げた目標を達成したと考えている。自殺発芽の方法論を実現できる可能性が一気に高まったため、現在、アフリカ現地の研究機関との連携の模索、日本政府及びアフリカ各国政府への働きかけ、農薬としての物性の最適化へと研究を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画では、3年をかけてストリゴラクトンを超える分子を開発する予定であったが、その目標は、本年度、すでに達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後より実用化に向けた研究へと方針変換する予定である。アフリカ現地の研究機関との連携の模索、日本政府及びアフリカ各国政府への働きかけ、農薬としての物性の最適化、アフリカ各国から収集したストライガ系統への作用の解析へと研究を進める。
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Causes of Carryover |
当初購入を予定していたより、96穴プレートの使用枚数が少なかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
96穴プレートの使用枚数を購入して、ストライガの発芽アッセイに用いる。
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Research Products
(6 results)