2015 Fiscal Year Research-status Report
農地環境のメタ戦略:土壌・気象・作物の組み合わせ最適解による農地循環力の強化
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15KT0038
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
持田 恵一 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, チームリーダー (90387960)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 隆志 岡山大学, 資源植物科学研究所, 教授 (10228819)
最相 大輔 岡山大学, 資源植物科学研究所, 助教 (90325126)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | オオムギ / ゲノム / トランスクリプトーム / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
農地情報の自動収集に向けての基盤整備を行った。データ集積用サーバーを準備し圃場栽培作物に関するデータを集積し解析する環境を整えた。圃場栽培オオムギ系統に関する、生長データおよび栽培環境情報の収集し、統合的に解析することで農地情報のデジタル化を行うために必要な基盤を整えることを目標として研究を進めた。 圃場栽培した大麦から1週間毎にサンプリングした葉のトランスクリプトーム解析をRNA-seqにより行い、192サンプルについての網羅的な遺伝子発現のデータの収集を完了した。これらの時系列トランスクリプトーム解析の結果から開花にいたるまでの生長状態の変化を、遺伝的背景が異なるオオムギ系統について比較した。また、同様のオオムギ葉サンプルについて、複数の植物ホルモン内生量の一斉計測を行い、そのデータ収集を完了した。植物ホルモンの変化についても、オオムギ系統間での比較解析を進めている。また、オオムギ集団のゲノム多型を網羅的に収集するためにRNA-seq法をもちいた多型解析を行い、アジア型栽培オオムギを含む20系統のゲノムワイドな塩基多型情報を収集した。このゲノムワイドな多形解析では、東洋型オオムギと西洋型オオムギを特徴づけるDNA多型を遺伝子領域から網羅的に収集することができた。さらに、オオムギのゲノム多型情報からその系統の開花日を予測する機械学習モデルをニューラルネットワークにより作製し、オオムギに関する種々の情報から農業形質を計算機によって予測する基礎的な方法論を考案した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物の生理状態の指標となるトランスクリプトームや植物ホルモンの網羅的な定量データを収集できたことは、当初の計画を越えた進捗である。また、ニューラルネットワークの実装が予定通り進んだ。一方、当初計画したドローンによる生長状態の記録については、安全上の懸念から固定カメラに計画を変更したため、調整に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
野外栽培オオムギのトランスクリプトームおよび植物ホルモン動態のデータに関して、速やかにデータを取り纏め公表する。また、ゲノム情報、気象データ、トランスクリプトーム、植物ホルモンといった離散的なデータを入力とした場合の、ニューラルネットワークによる予測器の開発を進め、離散データの関連性を中間層を介したニューロンの構造から推定することを試みる。
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Research Products
(3 results)