2018 Fiscal Year Annual Research Report
Argument-Based Data-Driven Conflict Studies
Project/Area Number |
15KT0041
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
木藤 浩之 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 客員研究員 (90705287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高井 利憲 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 客員准教授 (10425738)
阿部 明典 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (40221725) [Withdrawn]
久代 紀之 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 教授 (50630886) [Withdrawn]
新田 克己 東京工業大学, 情報理工学院, 教授 (60293073) [Withdrawn]
中村 潤 金沢工業大学, 工学研究科, 客員教授 (80532994) [Withdrawn]
岡本 圭史 仙台高等専門学校, 総合工学科, 教授 (00308214)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2019-03-31
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Keywords | 計算論的議論 / 機械学習 / ベイズ推論 / 逆問題 / 非単調論理 |
Outline of Annual Research Achievements |
議論は紛争に対する合理的,社会的かつ平和的な解決手段である.一方,今日行われている議論の多くはそれがどのようなデータに裏付けられるのか,反例となるデータは存在するのかなど,データを用いて議論を適切に評価したり構築したりすることが容易ではない.この問題に対処するために,本研究課題ではウェブに存在する非構造データから議論の構造を推定する一般的な方法論を研究した.
本研究において合計10本の査読付き国際論文を発表した.IBM Researchによれば研究代表者が筆頭責任著者を務めるそのうちの2本の論文(IJCAI 2017, KR 2018)は推論研究の最難関の国際会議である.また別の2本の論文(Argument & Computation 2015, JLC 2017)は研究代表者の研究領域の主要な論文誌である.さらに本研究を進めるうちに新たな本質的な課題およびそれへの解法が明らかになり2019年に別の科学研究費を獲得するに至った.
本研究の学術的貢献は,抽象的議論の逆問題を定式化したこと,そしてその一般的解法である抽象的議論に基づくベイズ推論システムを構築したことである.AI(人工知能)の研究の歴史から見てもこの逆問題の研究は重要である.なぜならそれは「知識獲得のボトルネック」という記号処理に基づくAIの弱点に取り組むからである.今日のデータ科学時代にAIに求められる能力はウェブやセンサーを介して取得される非構造データから何か有益な情報を獲得することである.議論の構造を入力とする順問題とは対照的に,抽象的議論の逆問題は議論に関する人々の賛否を入力とする.それらの賛否は様々なソーシャルネットワーキングサービスにおける投票として入手できるものである.従い,本研究は計算論的議論をデータ駆動にすることに貢献し,それは計算論的議論の広範囲に及ぶ応用を可能にするという実用的な貢献を含む.
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