2019 Fiscal Year Research-status Report
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15KT0046
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Research Institution | Atomi University |
Principal Investigator |
石田 信一 跡見学園女子大学, 文学部, 教授 (80282284)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴 宜弘 城西国際大学, 国際人文学部, 教授 (50187390)
中島 崇文 学習院女子大学, 国際文化交流学部, 教授 (90386798)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2021-03-31
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Keywords | バルカン / 歴史教育 / 民族紛争 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.昨年度までと同じく、各自がバルカン諸国の教育制度・教育事情に関する文献および紛争研究に関する文献の収集・閲覧を行いながら、歴史教育から見た紛争と和解の問題について、研究会(2019年4月27日、6月23日、9月28日、計3回)等を通じて基本的な情報の共有と論点の整理を行ってきた。 2.バルカン諸国のうちセルビア、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ、ルーマニア、ブルガリアで現地調査を実施しつつ、各国の研究者・専門家らとの広域的な研究ネットワークの形成・補強を行った。 3.バルカン諸国の事例と日本を含む東アジア諸国の事例を比較・検討するため、日韓共通歴史教材に取り組んできた専門家を招聘し、公開講演会「日韓における共通歴史教材の作成を通じての和解の取り組み」(2019年6月23日)を開催し、研究の深化とその成果の一般公開につとめた。 4.5年間の研究成果を総括するワークショップ「バルカン諸国の歴史教科書から見た紛争と和解の研究」(2019年12月23日)を開催し、参加者全員が各々の研究テーマで報告および意見交換を行った。これらの研究成果は各自が紀要等で公開しているほか、論文集の刊行も予定している。 5.歴史教育を通じた和解の試みとして知られるギリシャの「南東欧の民主主義と和解のためのセンター」(CDRSEE)による新しい共通歴史教材の内容の分析および翻訳作業を継続して行った結果、ある程度は草稿が完成している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ計画どおりに文献・情報の収集・整理および研究者・専門家との意見交換を含む現地調査を進め、その成果を公開しているほか、定期的な研究会の開催、専門家を招聘した公開講演会の実施、さらには総括的なワークショップの開催により、研究を深化させ、まとまりをもったものとすることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
1.バルカン諸国では最近になって歴史教育の大幅な見直しが行われているケースも少なくないことから、それらを継続的に分析・把握し、紛争と和解の問題に関する新たな分析の視角や方法論の確立をめざす。 2.バルカン諸国で活動する研究者・専門家らとの交流を強化し、彼らを加えた広域的な研究ネットワークの形成をいっそう推進する。
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Causes of Carryover |
2020年2月から3月にかけて実施予定であったバルカン各国における現地調査が新型コロナウィルスの感染拡大によって実施不可能となり、旅費および現地での購入を見込んでいた出版物等の支出にあてることができなかったため。 次年度においては、新型コロナウィルスによる安全性が確保されれば現地調査を実施し、そうでない場合は主としてインターネット書店等を通じてバルカン諸国の教科書・教材・研究書等を購入するために使用する。
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Research Products
(8 results)