2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of metal cluster catalysts by controlling the transition state for C-H bond activation on metal clusters
Project/Area Number |
15KT0064
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
劔 隼人 大阪大学, 基礎工学研究科, 准教授 (60432514)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2020-03-31
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Keywords | 二核錯体 / アルコキシド架橋 / ハフニウム錯体 / カチオン性錯体 |
Outline of Annual Research Achievements |
多核金属錯体は、一つの金属が基質の捕捉、他の金属が基質を活性化する反応点として作用することで、単核金属錯体とは異なる反応性を示すことが期待される。研究期間の最終年度においても、配位子により架橋された二核錯体の合成と反応性の検討を引き続き行い、多座アルコール系配位子であるエタノールアミン誘導体を用いて、多核アルキル金属錯体の合成を検討した。その結果、エタノールアミンとアルデヒドから調製されるアルコール―アミン配位子を用いて、テトラベンジルハフニウムとの反応により、アルコキシド架橋二核アルキル錯体が得られることを見出した。通常、カチオン化試薬を用いるアルキル基の引き抜き反応ではモノカチオン性錯体を与えるのみであるが、二核化により、二つの金属中心からそれぞれ一つずつ、合計二つのアルキル基を引き抜くことでジカチオン性ジアルキル錯体が得られることを明らかにした。さらに、ジカチオン性錯体の構造解析やルイス塩基を添加した錯体の合成に成功した。得られた錯体はオレフィン重合活性、ならびに、アルキンに対する挿入反応活性に富むことが示されたが、ピリジン等が配位した後の炭素-水素結合の切断反応に対しては活性が低く、反応の進行は確認されたなかった。一方で、ピリジン等が配位しても二核構造は分解しないことから、キレートアルコキシド配位子は多核アルキル錯体の合成と反応性の検討を行う上で優れた配位子系であることが示された。
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Research Products
(3 results)