2016 Fiscal Year Research-status Report
現代の西チベット、ラダックにおける紛争の形態と紛争解決戦略の分析
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15KT0124
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
煎本 孝 北海道大学, -, 名誉教授 (50124227)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 孝子 金沢星稜大学, 人文学部, 教授 (20293839)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | 紛争 / 紛争解決 / チベット / ラダック |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、インターネットを通したグローバルな情報の収集と発信が可能となっている現在のラダックにおける紛争の形態の変化とその条件を明らかにし、その上で、ラダックの人々が紛争の激化をいかに回避し、いかに解決しようとしているのかを、倫理的戦略、文化的戦略、制度的戦略という現在進行中の具体的活動からなる多面的紛争解決戦略に焦点を合わせ、記載、分析し、それらの有効性について検証する。 平成28年度においては、研究代表者は、紛争解決のための文化的戦略としてのラダック祭に関するフィールド調査資料の整理、分析を進めた。研究分担者は、ラダックからインターネットにより発信される情報の収集、分析、データベース化、および、日本在住のラダック人における情報ネットワークの形成に関する調査を行った。 また、研究代表者は、平成28年6月19-25日に、ノルウェーのベルゲン大学において開催された国際会議、第14回国際チベット学会セミナーに参加し、ラダックにおけるダライ・ラマ14世の平和維持における役割について研究発表し、中間研究成果についてのレビューを受けた。さらに、平成28年10月13日に、日本学術振興会で行われた特設分野研究代表者交流会に出席し、現代の西チベット、ラダックにおける紛争の形態と紛争解決戦略の分析についての発表、意見交換を行った。研究分担者は、シャマンの力というスピリチュアルな力が紛争解決に貢献するというラダックの事例をまとめ、国際学会誌に投稿した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
インド国ジャム・カシミール州ラダックにおける紛争形態の変化とその条件についてのフィールド調査資料、および、インターネットにより発信される情報資料の整理、分析、データベース化を進め、さらに、ノルウェーのベルゲン大学において開催された国際会議、第14回国際チベット学会セミナーに参加、研究発表し、中間研究成果についてのレビューを受け、当初の研究計画に沿って研究は順調に進展しているからである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究実施計画に従い、今後の研究を推進する。紛争解決のための制度的戦略としてのラダックの政治的地位をめぐる改革要求運動に関するフィールド調査、文献資料調査を行い、本研究の目的に沿い、ラダックにおける紛争形態の変化とその条件を明らかにし、多面的紛争解決戦略としての倫理的戦略、文化的戦略、制度的戦略の実体とその効果の有効性について総合的に分析、検証し、得られた研究成果を取りまとめる。
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Causes of Carryover |
旅費の見積もり額を多く見込んでいたところ、実際の支出額が下回り、252,130円の残額が生じたものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度分として請求した助成金と合わせて、旅費として使用する計画である。
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