2017 Fiscal Year Annual Research Report
Micro-Macro Nexus of Conflict in Africa: Simulation Analysis Based on Field Research
Project/Area Number |
15KT0137
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
阪本 拓人 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (40456182)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 進一 東京外国語大学, 現代アフリカ地域研究センター, 教授 (60450459)
佐川 徹 慶應義塾大学, 文学部(三田), 助教 (70613579)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | 紛争 / アフリカ / マルチエージェント・シミュレーション / 土地 / 平和構築 / 牧畜民 / 衛星画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題最終年度ということで,引き続き研究分担者と緊密に連携をとって研究を進める一方,3年間の研究活動の成果の取りまとめにも注力した.具体的には,研究代表者の阪本は,これまでの現地調査で得た牧畜民の家畜の移動データを分析することで,牧畜民の土地利用の実態を定量的に明らかにすることを試みた.成果の一部は,オープンアクセスの論文として公開されている.また,2017年9月には西アフリカのニジェール南部の乾燥地で現地調査を行い,現地の遊牧民フルべと農耕民ハウサの紛争と共生の実態を観察した.研究分担者の佐川は,再びエチオピアで現地調査を行い,牧畜民を取り巻く開発や平和構築に関わる情報を収集した.一方,分担者の武内も,コンゴやルワンダ等で現地調査を行い,国家建設や土地問題に関わるデータ収集を進める一方,こうしたテーマに関する研究を論文や学会報告などの形で旺盛に発信し続けている. 最後に,今年度は,本科研が後ろ盾の一つとなって,外部の研究者を招いた公開のセミナーも開催した.阪本が所属する「人間の安全保障」プログラム主催のセミナーで(http://hsp.c.u-tokyo.ac.jp/archives/category/seminar-event),京都大学の川口博子氏が「「加害者」はなぜ裁かれるべきなのか?:ウガンダ北部紛争における被害者の日常的経験から」と題する講演(2017年8月28日)を,同じく京都大学の大山修一氏が「西アフリカ・ニジェールにおけるテロと紛争、その予防に対する取り組み」と題する講演(2018年1月16日)をそれぞれ行ったほか,分担者の武内も「現代アフリカの土地と権力」というタイトルで報告(2017年12月8日)を行った.いずれもアフリカのローカルな紛争の実態を詳述し,その拡大の契機を捉えている点で,本研究課題に対して大きな示唆を持つ内容であった.
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