2017 Fiscal Year Annual Research Report
Exploring of the principle of epithelial tubulogenesis by intra- and extracellular small molecules
Project/Area Number |
15KT0154
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Research Institution | National Institute for Basic Biology |
Principal Investigator |
鈴木 誠 基礎生物学研究所, 形態形成研究部門, 助教 (10533193)
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Project Period (FY) |
2015-07-10 – 2018-03-31
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Keywords | カルシウムイオン / 神経管形成 / 頂端収縮 / アフリカツメガエル |
Outline of Annual Research Achievements |
Caged-ATPへの光照射により誘導される胚性上皮シート変形と胚の組織変形の基盤である物理的性質の変化の関係性を明らかにするために、硬さ計測装置を組み込んだ顕微鏡を開発した。硬さ計測装置として選定した原子間力顕微鏡と高倍率ズーム機能を備えた正立顕微鏡を組み合わせ、またプローブは球形の先端を備えたばね定数の低いものを採用することにより、胚性細胞への機械的影響を最小限に抑えつつ胚と細胞の形態さらに物理特性をほぼ同時に解析可能とする系とした。この装置で神経管の閉鎖過程を計測した結果、神経上皮細胞の頂端面では細胞伸長と頂端収縮を起こす過程で弾性が上昇すること、一方で神経板を取り囲み自律的な変形を起こさない表皮細胞では弾性は低い値が保たれることが明らかになった。弾性の上昇はF-アクチンと非筋型ミオシンの機能に依存したことから、細胞内Ca2+の上昇により誘導されるF-アクチンのリモデリングは弾性の上昇と機能的に関連することが示唆される。 また本研究で扱う数理モデルでは細胞の空間特徴に弾性の性質を含むことから、研究の後半ではサンプルの調整に改良を加えて頂端面のみならず神経上皮細胞の基底面とその周囲に存在する中胚葉性細胞の弾性を同様に計測する手法を開発した。本手法により得られる計測の結果を数理モデルに導入することにより、Caged-ATPへの光照射により誘導される胚性上皮シートの変形データと数理モデル解析の予測結果の差異を最小化するためのパラメーター検討が進むと期待される。
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