2004 Fiscal Year Annual Research Report
膜を介する(チャネルおよびGPCRを中心とした)情報伝達の分子機構研究
Project/Area Number |
16001005
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤吉 好則 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80142298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝口 明 三重大学, 医学部, 教授 (90181916)
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Keywords | 水チャネル / イオンチャネル / Gタンパク質共役型受容体 / 細胞接着 / シナプス / 電子線結晶学 / 2次元結晶 / プロテオミクス |
Research Abstract |
1.水チャネル、アクアポリンの構造と機能、活性制御、そして高次機能の研究 脳に存在する水チャネルAQP4の発現系を昆虫細胞を用いて確立し、2次元結晶を作製した。この結晶は2枚の膜が重なったもので、構造解析は容易でなかったが、独自に開発した極低温電子顕微鏡を活用し、新しい試料作製方法を開発することによって、構造解析を行った。AQP4は細胞膜内でアレイを形成し、その大きさはスプライシングバリアントによって調節されているが、このアレイ形成とサイズ制御の分子機構のモデルを提出することが出来た。2次元結晶における2重の膜が接する構造は、視床下部に観られるグリア細胞の層状構造と酷似した構造である。特にこの部分は、温度、浸透庄、グルコースセンサーとしての機能を担っておりこAQP4が大量に局在している。細胞接着活性のないL細胞を用いて安定発現系を作製することによって、AQP4が細胞接着活性を有することを証明した。 2.イオンチャネルの構造と機能解析 Ca^<2+>存在下でのIP_3受容体の構造を単粒子解析法で解析し、Ca^<2+>非存在下での構造と比較して、この受容体の動的な機能構造の1部分を明らかにした。 3.GPCR等の構造と機能解析等 GPCRの1つの代表的受容体であるET_BRを昆虫細胞SF+細胞を用いて発現し、リガンドが結合した状態の受容体を精製できるようにした。GFPを付加したキメラPSD-95の変異体を神経細胞初代培養に導入して、棘突起の形状が変化するなどの結果を得た。さらに、後シナプスに存在するタンパク質のプロテオミクス解析から、新しいタンパク質を同定したが、その中で、プロリンリッチな新規の膜タンパク質(PRR7と命名)について解析して、PSD-95とNMDARとの相互作用を確認した。
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Research Products
(10 results)