2006 Fiscal Year Annual Research Report
原子炉起源,地球起源反電子ニュートリノと太陽起源電子ニュートリノの高精度精密測定
Project/Area Number |
16002002
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
鈴木 厚人 東北大学, 名誉教授 (00100818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 邦雄 東北大学, 大学院理学研究科, 教授 (10242166)
白井 淳平 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90171032)
古賀 真之 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90343029)
三井 唯夫 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (20283864)
岸本 康宏 東北大学, 大学院理学研究科, 助手 (30374911)
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Keywords | 原子炉反電子ニュートリノ / ニュートリノ振動 / 太陽ニュートリノ / 液体シンチレータ / 低放射線 |
Research Abstract |
半電子ニュートリノの精密測定においては、系統誤差の縮小、有効体積の拡大、放射性重元素の除去、バックグラウンド評価の高精度化、原子炉・地球ニュートリノの同時解析が有効である。また、太陽ニュートリノの観測においては、放射性重元素、放射性希ガスの除去が必須である。これらの課題に対して、以下の研究開発を行った。 (系統誤差の縮小)これまで、最大の系統誤差であった有効体積の見積もりに対して、検出器内の全位置に放射線源を配置できる装置を開発し、位置再構成精度の較正を行うことで、系統誤差を約3分の1に縮小した。 (有効体積の拡大)画一的であった有効体積や事象選択基準の設定を、エネルギー毎に観測精度が最適になるように変化させることで、高エネルギーで約4割増、地球ニュートリノの領域に至っては約2倍の検出効率を達成することに成功した。 (放射性重元素・希ガスの除去)蒸留法を使った放射性重元素除去装置、窒素パージ法を使った放射性希ガス除去装置を完成させ、原子炉・地球に対する飛躍的なバックグラウンドの低減、そして太陽ニュートリノ観測の実現へのめどをたてた。 (バックグラウンド評価の高精度化)シミュレーションに頼る必要があった放射性重元素起源のバックグラウンド量は、主要な評価誤差の要因であったが、反応断面積を直に測定するための放射線源を製作し実測することで、バックグラウンド評価誤差を無視できる程度にまで小さくできた。 (原子炉・地球ニュートリノの同時解析)原子炉ニュートリノ解析においては、地球ニュートリノの影響がない高いエネルギー成分のみを利用していたが、低エネルギー領域でニュートリノ振動の効果が大きいこともあり、同時解析することによって振動パラメータ測定精度を大きく改善した。
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