Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中本 泰史 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助教授 (60261757)
朴 泰祐 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 教授 (90209346)
高橋 大介 筑波大学, 大学院システム情報工学研究科, 助教授 (00292714)
須佐 元 立教大学, 理学部, 助教授 (00323262)
森 正夫 専修大学, 法学部, 助教授 (10338585)
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Research Abstract |
宇宙第一世代天体の誕生は,宇宙全体の進化,銀河の誕生,重元素の起源を解き明かす上で根源的な問題である。本計画の目的は,高精度輻射流体力学計算によって宇宙第一世代天体形成過程の詳細なシミュレーションを行い,その起源を解き明かすことにある。そのために,宇宙物理サイドとして輻射流体力学および天体形成数値シミュレーションの専門家,計算機工学サイドとして,並列計算機のハードウェア,ソフトウェア,ネットワーク技術の専門家が,緊密な協力体制の下に汎用型プロセッサーと専用機とを融合させた新たな融合型並列計算機システムを開発した。今年度は,平成17年度に製作した融合型並列計算機システム(クラスタ240ノード,Blade-GRAPE72ボード)を,クラスタ256ノード,Blade-GRAPE240ボードまで拡大し,大規模シミュレーションを行うための融合型並列計算機を構築した。また,分散ディスクをファイルサーバとして使用することのできるgfarmシステムの導入を行った。 輻射流体力学計算に関しては,格子法に基づく輻射輸送計算の高精度化を行い,周辺ライブラリの整備を行った。特に,現在の6次元輻射輸送コードを改良し,点光源が内在する一般問題における輻射輸送コードを作成した。また,任意のスペクトルの光源を高精度で扱えるコードを開発し,これを数値拡散の少ない新しい方法へバージョンアップした。一方,並列化Tree法に基づく輻射SPH計算とGRAPE自己重力計算との統合を進めた。GRAPEで行う重力計算部分についてはTree化を行い,大規模シミュレーションを実現するためのコード整備を行った。そして,これらの数値計算コードを融合型並列計算機システムに実装し,第一世代天体中の星形成に関する輻射流体計算を行った。その結果,第一世代天体において,これまでの認識よりも一桁近い効率で星形成が起こりうることを明らかにした。 また,今年度は,中間評価(ヒアリング)を受け,A評価(現行のまま推進すればよい)を頂くとともに,研究経費について追加配分を頂いた。
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