2005 Fiscal Year Annual Research Report
質量選択・レーザー多重共鳴振動分光法の開拓による水和ネットワーク構造研究
Project/Area Number |
16002006
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三上 直彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70004447)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 朱鳥 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50218963)
前山 俊彦 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (20250673)
松田 欣之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (70400223)
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Keywords | 水素結合 / 水素結合ネットワーク / 質量選別クラスター赤外分光 / 微弱水素結合 / アルコールクラスター / 2水素結合 |
Research Abstract |
本研究では、新規分光解析装置を開拓し、水素結合に関わる未踏研究領域の開拓や、水素結合ネットワーク構造解明を実践して、水和現象の物理化学研究を深化させることであり、以下の3つの主要研究課題を推進している。 [1]質量選択・レーザー多重共鳴振動分光法の開拓 Q-MS・OPIG・Q-MSを装備した新型質量選択分析装置を導入し、質量数2000までの計測が可能になった。現在、水和クラスター50量体以上の分光計測を実施中である。 [2]水和現象における水素結合ネットワーク構造研究 プロトン付加水和クラスターの水素結合ネットワーク構造について、更に詳細の解析を実施し、欧州国際化学誌、米国化学会誌等に公表した。 先に、アルコールのネットワーク構造は水クラスター系とは全く異なる形態であることを見出し公表したが、その発展として、水とアルコールの混合クラスター系に関する研究成果を米国化学会誌等に公表した。 [3]新奇・特異・微弱水素結合構造研究 ボラン化合物の2水素結合を検証するため、新赤外OPO/OPA装置を活用してB-H伸縮振動を観測し、量子化学計算解析とともに米国物理学会誌に公表した。 微弱水素結合系の探索の一環として、ベンゼンとπ型水素結合するメタン、エチレン、アセチレンとの結合力の精密計測を行い、高度量子化学計算結果とともに、米国物理学会誌の速報として公表した。 また、関連研究として、(1)フェニルジシラン類の分子内電荷移動に関わる構造変化を赤外分光法により実証し、米国化学会誌に公表予定である。(2)アミド類負イオンクラスター構造解析研究、フォルムアミド負イオンクラスターの光電子分光解析から、余剰電子の存在形態による異性体を発見し、欧州の学術誌に公表した。
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Research Products
(10 results)