2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16002010
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 正幸 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (40114706)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田仲 加代子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 講師 (80345264)
山下 朗 東京大学, 遺伝子実験施設, 助手 (30312276)
|
Keywords | 減数分裂 / 分裂酵母 / mRNA / RNA結合タンパク質 / RNA分解 / 核内構造体 |
Research Abstract |
分裂酵母において、減数分裂特異的に機能を発揮するいくつかの遺伝子のmRNAは、体細胞分裂周期に転写されると極めて不安定で、速やかに細胞から除去される。こうした遺伝子は少なくとも10以上あると見積もられる。これらのmRNAは、我々がDSR(destabilizing region)と呼ぶ領域をもち、この領域が体細胞分裂周期においてmRNAを不安定にしている。DSRは、ORF中に存在する場合と、ORFと3'-UTRにまたがる形で存在する場合が知られている。そのようなmRNAを体細胞分裂周期において安定に保持する突然変異体の分離と解析から、減数分裂特異的mRNAの不安定化に必須の役割を果たす新規のRNA結合タンパク質Mmi1pが同定できた。Mmi1pはDSR RNAに直接結合する能力をもつ。Mmi1pを欠くと細胞は極端に生育が悪くなる。またMmi1pの機能低下に伴って細胞内には減数分裂特異的遺伝子の転写物が検出されるようになる。mmi1変異による生育阻害は、DSRをもつ遺伝子の一つで、減数分裂の進行に重要な転写因子をコードするmei4を欠失させるとかなりの程度回復した。したがって、Mmi1pは、体細胞分裂にとって有害な減数分裂遺伝子の発現の漏出を抑え込むことによって、栄養成長を可能にしていると考えられる。こうしたMmi1pの機能は、減数分裂開始時にはオフにならないと不都合が生じると考えられる。実際、分裂酵母における減数分裂のマスター制御因子であるMei2pが、Mmi1pに結合してその機能を抑え込むように働くことが明らかとなった。さらには、Mmi1pの機能を抑制して減数分裂特異的遺伝子の高発現を可能にすることこそが、Mei2pが減数分裂前期に核内に構築する点状構造の果たす役割であると考えられることが判明した。
|
Research Products
(3 results)