2004 Fiscal Year Annual Research Report
哺乳類神経発生におけるPax6下流遺伝子ネットワークの綱羅的解析
Project/Area Number |
16011201
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大隅 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (00220343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 将文 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (20361074)
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Keywords | 哺乳類 / 神経発生 / Pax6 / マイクロアレイ解析 / 遺伝子発現 / 比較解析 / Fabp7 / 神経新生 |
Research Abstract |
野生型およびPax6ホモ変異型ラット胚(胎齢11.5日)各40匹から菱脳領域を切り出してpoly(A)^+RNAを調整し、逆転写酵素反応とDNA合成酵素反応により得られた二本鎖cDNAを鋳型にin vitro転写反応でビオチン標識cRNAを合成し、数10〜200塩基程度に断片化してターゲットとして用いた。 ほぼ全ての遺伝子を網羅する約30,000の転写産物に対するプローブセットが載ったGeneChip Rat Expression Set 230 (Affymetrix)とハイブリダイズ後、SAPE (Streptavidin Phycoerythrin)染色を行ってその蛍光をスキャンし、各プローブセットの検出シグナルをMicroarray Suiteで演算処理し遺伝子発現シグナル値を求めた。誤差を収束させるために、RNA調整から4回実験を繰り返した。得られたシグナル値を解析ソフトウェアGeneSpring上でチップ毎のメジアンを1に規準化してから平均を取り、野生型とPax6変異胚での比較解析を行った。 シグナル値に大きな増減を示した遺伝子群についてはリアルタイム定量PCRにより発現量の比を検証したが、非常に相関が良く、この方法の有効性が確信された。 最も顕著な発現変動を示した遺伝子は脂肪酸結合タンパク質Fabp7で1/30以下にまで発現が減少していた。Unc5h1やCyp26b1遺伝子などでもPax6変異体での著しい発現減少を明らかにした。 Fabp7については、発現様式の確認、電気穿孔法と全胚培養系を組み合わせた野生型胚でのRNA干渉による機能欠失実験や過剰発現による機能獲得実験などの機能解析から、Fabp7遺伝子が転写因子Pax6の標的候補であり、神経新生に極めて重要な役割を担うことを明らかにした(論文投稿中)。 また、胎齢11.5日の終脳領域についても同様に2回の実験を行い、遺伝子発現比較解析を行った。
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Research Products
(7 results)