2004 Fiscal Year Annual Research Report
カイコのZ染色体連鎖遺伝子と性決定遺伝子の構造、機能および進化
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16011209
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
嶋田 透 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (20202111)
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Keywords | 性染色体 / Z染色体 / 遺伝子量補正 / BACコンティグ / シンテニー / 遺伝子密度 / 概日時計 / 比較ゲノム解析 |
Research Abstract |
カイコZ染色体の大規模な構造解析は、Bmkettin遺伝子周辺の領域でしか行われていない。本研究ではBmper、T15.180a、Rcf96、BmClockの3遺伝子をプローブとして、カイコのBACライブラリーを探索した。その結果、Rcf96を出発点として約270kbにわたるBACコンティグが作製できた。また、T15.180a、Bmper、およびBmClockをプローブとして、それぞれ約170kbの断片を含むBACを1個ずつ得た。得られたZ染色体由来のBACについて、ショットガン法で全塩基配列を決定した。その結果、Bmkettin周辺の約320kbにおいて、13個の遺伝子を同定した。またBmperのBACには1個の遺伝子を、Rcf96のBACからは4個の遺伝子を、T15.180aのBACからは、3個の遺伝子を、そしてBmClockのBACからは3個の遺伝子を、それぞれ同定した。推定されるアミノ酸配列から生物機能を推定したところ、Z染色体の遺伝子には神経機能や運動機能など行動に関わるものが多い傾向があったが、ハウスキーピング遺伝子と思われる遺伝子も存在していた。細胞あたりのこれらの遺伝子の発現量は雄で多い傾向があり、カイコでは遺伝子両補正が行われていないとする説を支持する結果であった。ショウジョウバエの遺伝子量補正を支える遺伝子であるmof、mle、msl-1、msl-2、msl-3、roX1、roX2の7遺伝子のうち、カイコのWGSやESTに存在していたのはmof、mle、msl-3だけだった。これら3者はタンパク質にまで翻訳されていたが、性染色体とは無関係であり、遺伝子量補正以外の機能を担っていると推定される。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Partial deletions of the W chromosome due to reciprocal translocation in the silkworm Bombyx mori.2005
Author(s)
Hiroaki Abe, Motoaki Seki, Fumi Ohbayashi, Nobuhiko Tanaka, Jun-ichi Yamashita, Tsuguru Fujii, Takeshi Yokoyama, Michiyoshi Takahashi, Yutaka Banno, Ken Sahara, Atsuo Yoshido, Jun-ichiro Ihara, Yuji Yasukochi, Kazuei Mita, Masahiro Ajimura, Masataka G.Suzuki, Toshikazu Oshiki, Toru Shimada
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Journal Title
Insect Molecular Biology (in press)
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