2004 Fiscal Year Annual Research Report
一細胞科学によるアジサイの表現型からゲノム解析への統合研究
Project/Area Number |
16011224
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 久美 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90210690)
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Keywords | アジサイ / 花色変化 / 単一細胞分析 / 液胞pH / アルミニウムイオン / 助色素 |
Research Abstract |
アジサイの花色は、環境変化や時間の経過により容易に変わる。紫色のアジサイでは、隣り合った細胞一つ一つの色合いが異なりモザイク状を呈し、また、同じ層でも無色と有色の細胞が混じりあっている。即ち、アジサイは同じゲノムを持ちながら何らかの因子により表現型である花色が変異する。本研究では、この機構の解明を目指した。申請者らはすでに、in vitroでアジサイの花色発現を実施し、変異の物質的な要因を明らかにしている。そこで、種々の花色を持つアジサイガク片から着色細胞を取り出し、個々の着色細胞の液胞pH,有機成分、アルミニウムイオン濃度をミクロ分析し、色と相関させる実験を行なった。 紫色のアジサイガクヘンをプロトプラスト化して着色細胞混合物を調製した。これを用いて、単一細胞で細胞内微小電極法による液胞pH測定、ミクロHPLCによるアジサイの花色に関与する有機成分の一細胞での分析、原子吸光分析によるおよびアルミニウムの定量を行なった。液胞pHは、色との相関がほとんど認められなかった。ミクロHPLCによる分析により、デルフィニジン3-グルコシド(1)、および、助色素成分であるキナ酸の5-カフェオイル体(2)、5-p-クマロイル体(3)および、3-カフェオイル体(4)、の一細胞での定量が可能となり、顕微分光分析により細胞の色を測定後、サンプリングすることで、色と成分の相関データを得ることができた。1は、色に関わらず15-25mM程度含まれ、2は青色細胞の方が多かった。さらに、細胞50個のデータではあるが、原子吸光法によるアルミニウム分析を行なった。紫色萼片では、細胞の色とアルミニウム濃度には、相関が認められなかった。
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[Journal Article] UV-B protecting effect of a polyacylated anthocyanin, HBA, in flower petals of the blue morning glory, Ipomoea tricolor, cv.Heavenly blue.2005
Author(s)
Mori, M., Yoshida, K., Ishigaki, Y., Matsunaga, T., Nikaido, O., Kameda, K., Kondo, T.
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Journal Title
Bioorg.Med.Chem. 13
Pages: 2015-2020
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[Journal Article] The involvement of tonoplast proton pumps and Na+(K+)/H+ exchangers in the change of petal color during flower-opening of morning glory, Ipomoea tricolor cv.Heavenly Blue.2005
Author(s)
Yoshida, K., Kawachi, M., Mori, M., Maeshima, M., Kondo, M., Nishimura M., Kondo, T.
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Journal Title
Plant Cell Physiol. (In press)
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