2004 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経ゲノムでのCNR分子体細胞レトロトランスポジションの解析と生成機構の解明
Project/Area Number |
16011233
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉野 英彦 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 助手 (70270577)
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Keywords | プロトカドヘリンα / レトロトランスポジション / LINE1 |
Research Abstract |
脳内神経細胞シナプスで多く発現しているカドヘリン型接着分子ファミリーの一つであるCNR分子は、ゲノム構造の解析の結果、14個の細胞外領域をコードする「可変領域エキソン」と細胞内領域をコードする「定常領域エキソン」が繋ぎ変わることで14種類の分子種を作り出していることを我々は明らかにした。このような構造は免疫系以外では初めての知見である。そこで染色体上でのCNR分子の組み替え体の検索と解析を行い、脳における接着分子群の多様性獲得のメカニズムを明らかにする目的でこの仕事に着手した。 脳組織を用いたゲノミックPCRと、脳組織由来のゲノミックライブラリーのスクリーニングの結果、イントロンを欠くcDNA様のCNR遺伝子構造体を単離できた。その隣接塩基配列からゲノム中に逆転写再挿入(レトロトランスポジション)していることを明らかにした。14種類の全てのCNRがイントロンレスCNRとして単離された。 さらにショ糖密度勾配遠心分離法により、多くの逆転写したイントロンレスCNRは、環状構造をとり、ゲノムに挿入される頻度は低いことも明らかにした(Sugino et al 2004)。最近になり哺乳類のゲノムに多数存在するLINE配列がコーディングする逆転写酵素が、自身のみならず、他のmRNAをもゲノムに逆転写再挿入させることが培養細胞の系で報告された。そこで脳各組織由来のRNAを用いたRT-PCRとノーザンプロットを行ったところ、LINE1が脳組織で強く発現していることを見い出した。発現しているLINE1は強い逆転写活性を持つとされるL1Md-Tf型であった。またin-situハイブリダイゼーションの結果から海馬(CA1〜3,DG)、大脳皮質(2〜3層)、小脳(顆粒細胞層)での高発現を見出した。この発現分布はCNRの発現分布と一致する。さらに、脳組織由来のcDNAライブラリーをスクリーニングしたところ、全転写産物のうちおよそ0.05%が全長鎖を有するLINE1であった。これらのことより、LINE1による他の発現遺伝子に対する、新たなる機能獲得付与の可能性が示唆された。
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[Journal Article] Genomic organization and transcripts of the zebrafish Protocadherin genes.2004
Author(s)
Tada, M., Senzaki, K., Tai, Y., Morishita, H., Ishi, Y., Asakawa, S., Shimizum, N., Sugino, H., Yagi, T.
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Journal Title
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