2004 Fiscal Year Annual Research Report
レンチウイルスベクターを用いた網羅的ノックアウトマウスライブラリーの構築
Project/Area Number |
16011236
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
伊川 正人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (20304066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓮輪 英毅 大阪大学, 遺伝情報実験センター, 助手 (50343249)
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Keywords | レンチウイルスベクター / 遺伝子改変動物 / 遺伝子破壊 / cre / loxPシステム |
Research Abstract |
レンチウイルスベクターを受精卵に感染させれば、非常に効率良く多数の遺伝子座にGFP発現遺伝子を組み込むことができる。そのことを利用して、GFP遺伝子を性染色体に組み込むと同時に内在性遺伝子を破壊することにより、網羅的にノックアウトマウスライブラリーを作製することを目的として研究を進めている。 今年度は、遺伝子改変動物の作製効率をさらに上げるための検討を行った。具体的には、卵の透明帯があるとウイルスが感染できないので現在は酸性タイロード処理しているが、卵へのダメージが大きいために発生能が低下してしまう。そこでガラスキャピラリーを用いたマイクロインジェクション法を試した。特に顕著な効率化は認められなかったが、胚へのダメージが低く、必要なウイルス量を減らすことが可能であった。またCWプロモーターに比較してCAGプロモーターを用いた場合の方が、安定した遺伝子発現が観察された。 次に、破壊された遺伝子つまりウイルスベクターが組み込まれた場所を、LTR内のプライマーとランダムプライマーを用いたPCR法により決定する系を確立した。作製したトランスジェニックマウス系統について、順次、遺伝子導入部位の決定を進めており、これまでに100を超える導入部位の同定に成功した。特に導入されやすい遺伝子座や染色体があるわけではなく、おしなべて殆どすべての染色体に遺伝子導入されていることが確認できており、ランダムな挿入であることが確認された。これらのマウスについては、受精卵や精子による凍結保存を行った。
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