2004 Fiscal Year Annual Research Report
リン酸化プロテオームによるインスリン/Akt経路の標的因子の網羅的解析法の開発
Project/Area Number |
16012211
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小迫 英尊 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (10291171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 道元 東京大学, 医科学研究所, 寄付研究部門教員 (00345034)
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Keywords | IMAC / 2D-DIGE / 網羅的解析 / Akt / インスリン / リン酸化 / 質量分析計 / 二次元電気泳動 |
Research Abstract |
本研究では、特定のシグナル伝達経路に関与するリン酸化タンパク質を効率的・網羅的に同定するための、汎用性の高いプロテオーム解析法の開発を目標としている。本年度はそのモデル系として、インスリンやPDGFなどの細胞外因子によって活性化するPI3キナーゼ/Akt経路のリン酸化プロテオーム解析を開始した。まずガリウムイオンを用いた固定化金属イオンアフィニティークロマトグラフィー(IMAC : immobilized metal ion affinity chromatography)による全細胞タンパク質からのリン酸化タンパク質の濃縮・精製法を開発した。さらに比較する試料を異なる蛍光色素で標識して同一ゲル中で二次元電気泳動する方法(2D-DIGE法:two-dimensional difference gel electrophoresis)とIMACを組み合わせることにより、従来プロテオーム解析による検出が困難とされてきた、微量なシグナル伝達因子のリン酸化による変動を高感度かつ定量的に検出することに成功した。そこでヒトインスリン受容体を過剰発現しているCHO-IR細胞を用いて、インスリン刺激によって増大し、かつwortmanninやLY294002などのPI3キナーゼ阻害剤で前処理するとインスリンによる増大が抑制されるスポットを検索した。またNIH3T3細胞を用いて、PDGF刺激によって同様の検索を行った。血清飢餓培養の条件、阻害剤の種類・濃度・処理時間、刺激の濃度・時間、さらに抽出液の調製法など、種々の条件検討を詳細に行った結果、2D-DIGE解析ゲルイメージにおいて目的とする変動スポットを数十個得ることができた。これらの変動スポットの一部はAktのリン酸化コンセンサスを認識する抗体と反応したため、Akt基質であると考えられた。現在質量分析計によるタンパク質同定を進めている。
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Research Products
(2 results)