2004 Fiscal Year Annual Research Report
糖尿病合併症・糖尿病薬剤感受性遺伝子の同定と新たな治療戦略への展開
Project/Area Number |
16012228
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
柏木 厚典 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127210)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽田 勝計 旭川医科大学, 医学部, 教授 (60164894)
古家 大祐 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70242980)
荒木 信一 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (80378455)
前田 士郎 理化学研究所, 遺伝子多型研究センター, チームリーダー (50314159)
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Keywords | 糖尿病 / 糖尿病合併症 / 糖尿病性腎症 / 遺伝子多型 / 家系図 |
Research Abstract |
本研究の目的は、糖尿病合併症の感受性遺伝子ならびに糖尿病治療薬に対する薬剤感受性遺伝子の同定をおこない、合併症の発症・進展予防の新たな治療戦略を探ることである。本研究の特色は、長期前向き経過観察研究による合併症感受性遺伝子・薬剤感受性遺伝子の同定を試みること、合併症に関する家系図の構築と構成員のDNA採取を行うことにより合併症家系図に基づく候補遺伝子解析を行うこと、DNAマイクロアレイ法やプロテインチップ法を用いた網羅的な探索により新たな感受性候補遺伝子の同定を行う点である。本年度の成果としては、(1)1996年より開始している滋賀医科大学経過外来を受診され、本研究に同意・登録されている対象患者(総数1096名)の経年的臨床データの蓄積と正確な病期分類に基づいた合併症診断、DNAの採取・保存を本年度も実施した(2)両親ならびに同胞への糖尿病調査・DNA採取に関する協力を快諾いただいた108家系のアンケート調査を実施し家系図を構築した。そのうち49家系の家族より研究協力の承諾を得、現在までに72名の家族の方々の糖尿病(75gOGTT)ならびに合併症に関する諸検査・DNA採取を終了した。(3)1996年から2002年までに3年以上経過観察された糖尿病患者を対象とした前向き経過観察研究において、PKC-β遺伝子(PRKCB1)のプロモーター領域に存在するC-1504T多型のT対立遺伝子保有者では、非保有者に比して腎症の発症率が約3倍であることを見出した。(4)糖尿病モデル動物(db/dbマウス)とそのコントロール動物の腎臓を用い、腎症の進展にともない増減する遺伝子のプロファイルを作成した。(5)糖尿病治療薬に対するレスポンダー・ノンレスポンダーならびに副作用発現に関する患者抽出を行い、臨床データの収集、DNA採取を行った。
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