2004 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝研究コンソーシアムによる自閉症関連遺伝子の解明
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16012242
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
難波 栄二 国立大学法人鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 教授 (40237631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
檜垣 克美 国立大学法人鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助教授 (90294321)
前川 真治 国立大学法人鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 助手 (70314606)
佐々木 司 国立大学法人東京大学, 保健管理センター, 助教授 (50235256)
松本 英夫 東海大学, 医学部, 助教授 (90199886)
山本 謙司 東海大学, 医学部, 講師 (10287071)
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Keywords | 自閉症 / 関連遺伝子 / ゲノムインプリンティング / ニューロトランスミッター / DNAチップ |
Research Abstract |
鳥取大学、東海大学、東京大学の3大学で共同研究グループを作り、自閉症の遺伝的背景の研究を行った。自閉症の110家系からリンパ芽球213株(患者:93、母:62、父:64)を樹立した。これら検体よりDNAおよびRNAを抽出して自閉症の発症に関与する遺伝子の研究を進めた。研究は、1)自閉症候補遺伝子のSNPs解析、2)既知のゲノムインプリンティング遺伝子などの遺伝子発現量の解析、3)cDNAマイクロアレイ解析、4)FMR1遺伝子におけるCGGリピート数の解析、5)ホメオボックス(HOX)遺伝子群に存在する3塩基リピート数の解析を中心に進めた。6)また、正常ヒト脳組織におけるdifferentially methylated region (DMR)に着目し、自閉症感受性領域より新規のゲノムインプリンティグ遺伝子の検索も行った。これら解析の結果、1)13遺伝子を解析したが正常コントロールとの差異は認められなかった。2)DLX5においてインプリンティングの消去(LOI)が認められた。3)2家系間で比較したが共通して発現量に差のある遺伝子は同定できなかった。4)FMR1におけるCGGリピートの異常伸長は認められなかった。5)HOXA群やD群において自閉症患者特異的なリピート変異を観察した。6)また2番、7番染色体上での検討を行ったが、新規インプリンティング遺伝子の同定には至らなかった。今回の検討では、自閉症の原因遺伝子を同定することはできなかったが、HOX遺伝子群の解析では自閉症患者特異的なリピート変異を発見することができ、今後の発展が期待できると考えられた。今後は、解析検体数をさらに増やして、研究を発展させてゆく必要がある。
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Research Products
(5 results)