2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト型一本鎖抗体ライブラリを用いた抗ペプチド抗体8000種類の整列化
Project/Area Number |
16012259
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
奥井 理予 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (20327654)
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Keywords | ヒト型 / 一本鎖抗体 / ライブラリ / ペプチド抗体 / 整列化 |
Research Abstract |
本研究の目的は、すでに所属研究室で独自に作製した10^<11>以上という膨大なレパートリーを有するヒト型一本鎖抗体ライブラリを用い、多数の抗原ペプチドに対するアフィニティーの高い抗体を単離し整列化する方法論を確立することである。 昨年度末より、8,000種類のペプチドビーズライブラリGly_3・X・Pro・X・X・Gly_3 (X:任意のアミノ酸)を用いて、抗原ペプチドと結合する一本鎖抗体のパンニングを行った。 今年度は、コントロールペプチドを用いて単離した一本鎖抗体について、BIACORE 3000によって抗体親和性の評価を行い、スクリーニング法の有効性を確認した。この過程で現状の一本鎖抗体精製法ではハイスループットに不向きであることが判明した。そのため、精製用タグを改良した新しいベクターを作製し、精製法も改良した。同時に新たにリプレッサー・シャペロン発現ベクターを作製し、可溶性抗体発現量の増大および得られたクローンの安定性の向上が見込めるようになった。今後これらを利用した新ライブラリに切り替える予定である。また、抗原ペプチドと結合する一本鎖抗体を集団のまま(ポリクローナルファージ抗体)、384穴プレート25枚分(9,600クローン)として整列化するためのプロトコールの見直しおよび機器類の条件検討を行った。今後、上記の諸条件を統合したシステムで、新しい抗体ライブラリを用いてスクリーニングし、抗体を整列化した後、メンブレンまたはチップ上に固相化する予定である。 最終的にはファージ抗体と抗原ペプチドの配列を対応させたデータベースの構築を目指している。これにより、抗原のスクリーニングが容易になるだけなく、各種特異抗体のスクリーニングも不要になる可能性もあると考えている。
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