2004 Fiscal Year Annual Research Report
不妊症原因遺伝子の同定を目的とした、減数分裂関連遺伝子の網羅的解析
Project/Area Number |
16012262
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
倉橋 浩樹 藤田保健衛生大学, 総合医科学研究所, 教授 (30243215)
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Keywords | 不妊症 / 不育症 / 減数分裂 / 相同組換え / 2重鎖DNA切断 / マイクロアレイ / 網羅的解析 / 発現プロファイリング |
Research Abstract |
10組に1組のカップルは不妊症に悩んでいる。不妊症は種々の生活習慣病に匹敵するほど高頻度に発生するにも関わらず、その遺伝的要因に関してはいまだほとんど解明されていない。不妊症は子孫を残さないため、遺伝性の要素がマスクされてしまうが、一部の不妊症ではすでに遺伝子異常が報告されている。また、減数分裂時の相同組換えに関与する遺伝子のノックアウトマウスの多くはオスは不妊、メスは不育であり、これらの遺伝子異常によるヒト不妊・不育症が存在する可能性は非常に高い。本研究では、ヒト不妊症の原因遺伝子同定を目的として、減数分裂時の相同組換えに関わる遺伝子をマイクロアレイを用いて網羅的に同定した。マウスの精粗細胞を密度勾配遠心を用いて各分化段階に従って分画し、それぞれに対してマイクロアレイを用いて発現プロファイリングをおこなった。また、さらに、精巣特異的遺伝子を抜粋するために、マウス精巣と、精巣以外とに分けてマイクロアレイ解析をおこなった。その結果、減数分裂特異的遺伝子の候補として810遺伝子が抽出できた。これら候補遺伝子に対して順次、(1)胎児精巣、卵巣、成熟精巣、卵巣を用いたRT-PCR、(2)精巣組織でのin situ hybridization、(3)細胞株を用いた細胞内局在の検討、をおこなって、減数分裂特異的遺伝子の絞り込みをおこなった。その結果、調べた20遺伝子のうち、4遺伝子が機能未知の減数分裂特異的遺伝子と判明した。これらの遺伝子は、ヒト不妊症の有力な原因遺伝子の候補と考えられる。
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Research Products
(5 results)