2004 Fiscal Year Annual Research Report
全長cDNAとChIPを用いた熱帯熱マラリア原虫の転写因子と結合塩基配列の解析
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16013213
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渡辺 純一 東京大学, 医科学研究所, 助手 (20201189)
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Keywords | マラリア原虫 / 転写因子 / 発現制御 |
Research Abstract |
我々は、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)の転写因子の解析を行う目的で、原虫のTATA binding protein(TBP)に対するペプチド抗体を作成し、それを用いて、赤内型培養原虫からChIP(chromatin immunoprecipitation)によって結合塩基配列をプルダウンし、多数のTBP結合配列の網羅的シークエンス決定を計画した。マラリア原虫のTBPは、ヒトなどのTBPを相同性が30%と低く、これまでに、ペプチド抗体の作製に成功した。しかし、ChIPが難航し、種々の条件検討を行った末、年度末にようやく実験条件の設定が可能となった。なお、同時期に、比較生物学的アプローチによって転写因子の結合配列を解明する目的で、マラリア原虫と近縁のトキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)のタキゾイト原虫を材料として、オリゴキャップ法によって全長cDNAライブラリを作製した。多数の5'端シークエンスを決定し、トキソプラズマ原虫のゲノムシークエンスと比較、転写開始点の位置を示すデータベースを作成した(http://fullmal.ims.u-tokyo.ac.jp)。マラリア原虫は、AT比が80%であるのに対し、トキソプラズマ原虫では、35%と低い。この両者の転写開始点付近の塩基配列の比較は、共通する転写開始点結合配列の発見につながる貴重なデータになるものと期待された。
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Research Products
(4 results)