2004 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム規模での単離した分裂酵母の胞子形成必須遺伝子産物の時間・空間配置の解析
Project/Area Number |
16013242
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
下田 親 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 太郎 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 講師 (30291082)
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Keywords | 分裂酵母 / 減数分裂 / 胞子形成 / スピンドル極体 / 小胞輸送 / 膜融合 |
Research Abstract |
分裂酵母の胞子形成関連遺伝子産物を網羅的に解析するため、次の3項目の研究を行い成果をあげた。 1)ゲノム規模での胞子形成関連遺伝子の網羅的単離と解析: われわれは減数分裂と濃い的な転写因子Mei4を発見し解析してきた。Mei4を栄養細胞で過剰発現したときに転写が誘導される遺伝子を網羅的にクローンすることを試みた。分裂酵母S.pombeの全ゲノムに存在する約4900個の遺伝子を対象にDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、341個の遺伝子で有意の転写上昇が見られた。次に、これらの遺伝子について英国サンガー研究所の転写プロファイル情報を検索し、減数分裂・胞子形成過程で転写が上昇する遺伝子として288個を抽出した。これらの遺伝子のORFをPCR増幅しほぼすべてをプラスミドのクローン化した。 2)タンパク質間相互作用の解析: 分裂酵母のスピンドル極体(SPB)が微小管形成のみならず、胞子細胞膜の基点として働くことを明らかにした。後者の機能に必須の3つのSPBタンパク質Spo2,Spo13,Spo15について、タンパク質間相互作用を酵母Two-hybridアッセイおよび免疫沈降実験により証明した。さらに、Spo13をベイトとしてcDNAライブラリーをTwo-hybridによりスクリーニングし、ホスホリパーゼ、ソーティングネキシンなどの候補タンパク質が得られた。 3)胞子形成をモデルとして、細胞システム変換の基本原理を考察: 栄養増殖から胞子形成の変換には、まず特異的転写因子の発現とその標的遺伝子の転写誘導が重要であることをMei4を中心に証明することができた。つぎに、これらの遺伝子産物の主に膜輸送による細胞内局在制御とタンパク質間相互作用による細胞内構造体形成が重要であることを示した。
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Research Products
(5 results)