2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトにおける情動および行動の機制に関する脳内機構の研究
Project/Area Number |
16015210
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 悦朗 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30368477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 俊勝 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (70271913)
鈴木 匡子 東北大学, 病院・講師 (20271934)
目黒 謙一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90239559)
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Keywords | 情動 / 視覚 / 記憶 / 神経基盤 / 痴呆性疾患 / パーキンソン病 / MRI / PET |
Research Abstract |
脳損傷患者,痴呆性疾患患者における神経心理学的手法,および健常者に対する脳賦活研究手法を,情動と認知の関連の探索に拡張した.すなわち,情動による記憶の強化を検討するために,情動性を付加した記憶課題を作成した.その妥当性と信頼性の確認し,また側頭葉前部切除患者およびパーキンソン病において,情動が記憶に及ぼす影響がどのように変化しているかの検討に着手した.またエピソード記憶の脳内基盤を探るため,実社会を模した状況設定でPETおよびfMRIを用いて脳賦活領域を検討し,事象の脈絡に関与する脳領域を特定した.痴呆性疾患における行動異常(行動抑制異常)と認知障害との関係を分析した.視覚刺激による情動喚起の仕組みをさぐるために,脳損傷患者における視覚のトップダウン処理を含む高次視覚認知の検討を行った. また一方において,痴呆性疾患およびパーキンソン病の大脳皮質萎縮と認知行動異常との関連を探求する手法の確立の前提として,神経変性疾患におけるMRI画像解析を用いた大脳皮質萎縮の評価法の妥当性を検討しつつ評価を行った.Voxel-based morhometryで,進行性核上性麻痺および皮質基底核変性症における大脳皮質萎縮は明瞭に区別でき,また軽症のアルツハイマー病においても統計的評価によって萎縮を明瞭に捕まえることができることが示された.
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