2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路形成における新規RhoフアミリーG蛋白質の役割
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16015257
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
根岸 学 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (60201696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 裕教 京都大学, 生命科学研究科, 助教授 (50303847)
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Keywords | semaphorin / Plexin / R-Ras / 軸索ガイダンス / Rho / Rnd1 / 神経回路 / 成長円錐 |
Research Abstract |
神経細胞は、その特徴的な構造である神経突起をのばし、複雑な神経回路を形成し、高次脳機能の発現を可能にしている。軸索は様々な軸索ガイダンス因子に導かれて伸長し、目的のターゲット細胞に到達し、神経回路を形成する。Sema4Dは代表的な軸索ガイダンス分子の1つであり、その特異的な受容体、Plexin-B1に結合し、反発作用を発揮する。しかしその分子メカニズムは不明であった。Plexin-B1の細胞内領域にはよく保存された部位、C1とC2が存在する。我々は、RhoファミリーG蛋白質、Rnd1がC1とC2の間の領域に結合することを見いだしていた。C1とC2の機能を解析した結果、Plexin-B1のこの領域がRasファミリーの1つ、R-Rasに対する特異的なGAPであることを見いだした。また、Plexin-B1によるR-Ras GAP活性発現にはRnd1の結合が必須であり、Plexin-B1/Rnd1複合体は、リガンドのSema4D刺激により、R-Ras GAP活性を発揮し、R-Rasの活性を低下させた。また、このR-Ras GAP活性の発現により、Sema4D/Plexin-B1/Rnd1はPC12細胞で神経突起の退縮を、ラット初代培養海馬神経細胞において成長円錐の崩壊を引き起こした。このことから、Sema4D/Plexin-B1はR-Ras GAP活性により、軸索進展作用のあるR-Rasの活性を抑制することにより、軸索に対する反発作用を発揮することがわかった。また、Rnd1はC1とC2の結合を解裂し、Seam4Dが受容体のクラスタ形成を起こして活性が発現することがわかった。さらに、このR-Ras GAP配列はPlexin-Aを含む他のPlexinファミリーにも非常によく保存されているので、Sema3A/Plexin-Aによる反発作用にもR-Ras GAP活性が関わるのかを調べ、ラット初代培養海馬神経細胞で、Sema3A/Plexin-Aによる成長円錐の崩壊にもR-Rasの活性低下が必須であることがわかった。このことから、R-Ras GAP活性はPlexinファミリーに共通した情報伝達機構であることが推察される。
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Research Products
(4 results)