2004 Fiscal Year Annual Research Report
神経回路トポロジーと神経活動パターン及びその情報表現との関係性について
Project/Area Number |
16015306
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
北野 勝則 立命館大学, 情報理工学部, 助教授 (90368001)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青柳 富誌生 京都大学, 大学院・情報学研究科, 講師 (90252486)
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Keywords | シミュレーション / 神経回路モデル / 同期現象 / 並列計算 |
Research Abstract |
神経情報表現に密接な関係がある神経回路の動的な性質は、しばしば議論される回路を構成する個々の細胞の膜特性はもちろん回路構造にも依存すると考えられることから、神経回路の構造と生成される神経活動パターンの関係を調べた。 回路構造を統計的に特徴付けるには十分に大きな要素数で構成される回路を扱う必要があることから、計算機上で大規模な神経回路モデルを効率よく扱う方法が不可欠になる。そこで、PCクラスタと呼ばれる並列計算システムで大規模な神経回路モデルを分散的に処理するためのアルゴリズムの開発を行った(このプログラムは本研究課題以外の研究にも適用されている)。 このプログラムを用いて大規模神経回路のシミュレーションを行い、in vitroやin vivo環境でのカルシウムイメージングによる実験で報告されている神経活動データ(Ikegaya et al.,2004,etc)との比較を考え、自発発火活動時の神経活動について調べた。回路構造の規則性を表す統計量をパラメータとすると、規則的な構造の神経回路では発火率が5Hz程度のθ周波数で変動する傾向が強く見られ、規則性が少なくなるにつれこの発火率の振動は弱くなった。にもかかわらず、個々の神経細胞の発火活動の規則性を解析すると、規則的な構造の神経回路が最も不規則なスパイク活動を示すことが確認された。また、スパイク相互相関の典型的な時間スケールも、この回路構造のパラメータに依存すること等がわかっている。より詳細な解析は今後も必要とするが、回路構造の規則性と神経活動の時空間パターンには有意な相関関係が存在すると考えられる。
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