2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16015319
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
川口 泰雄 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 教授 (40169694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 芳之 生理学研究所, 大脳皮質機能研究系, 助教授 (90192567)
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Keywords | 前頭皮質 / 錐体細胞 / 介在ニューロン / 局所回路 / 線条体 / GABA / 軸索 |
Research Abstract |
大脳皮質ニューロン構成を理解するために、GABA作働性非錐体細胞を生理的・形態的性質から定量的に分類した。発火パターンから3種類に分類したが、発火に直接関係ない生理的パラメーターを使って判別分析してもこれらを区別することができた。各非錐体細胞サブタイプは、発火パターンに形態的特性(細胞体にシナプスする割合、軸索の分枝する頻度、細胞体より白質側にあるブトンの割合など)を組み合わせて同定することができ、これらのグループはカルシウム結合蛋白質・ペプチドの発現パターンとよく相関していた。樹状突起は定量的に3つのタイプに分けることができ、サブタイプはこれらの樹状突起タイプのどれかに属した。次に皮質神経回路がどのような選択性に基づいてでき上がっているかを明らかにするために、軸索と樹状突起で、分枝、シナプスブトン、スパイン形成の確率分布をサブタイプごとに調べた。分枝間角度分布は軸索・樹状突起の間で同じ関数で近似することができ、サブタイプ間でも分布に大きな差がなく、平均値もほぼ同じであった。分枝・シナプスブトン・スパインの間隔分布どれも指数関数で近似できるが、サブタイプごとにそれらの平均値は異なっていた。シナプスブトン・スパイン間隔が指数分布していることから、シナプスが突起上にランダムに配置されていると考えられる。実際、軸索上のシナプスブトン密度は細胞体からの距離に依存していなかった。突起の屈曲とシナプス形成の関係をみるために、軸索・樹状突起分枝ごとの曲がりくねりと分枝上のブトン・スパイン密度を計測した。ブトン・スパイン分枝密度の平均値はサブタイプごとに異なるが、ほぼ同じ変動係数(CV)のガウス分布に従い、分枝長とは相関していなかった。非錐体細胞はサブタイプごとに異なる頻度でシナプスを作るが、どのタイプでも突起上に一様に、局所的にはランダムにシナプス配置していることがわかった。
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Research Products
(1 results)