Research Abstract |
Web, XML,ブロードバンド通信などの発展に伴い,ネットワーク上を時系列的なストリームとして動的に送受信される情報が重要となってきている.ストリーム形式の情報の処理は最近になって重要性が広く認識されてきた.本研究は,ストリーム形式で配信されるコンテンツと既存情報源に格納されたコンテンツの多様な統合利用技術の構築を目的とし,(1)ストリームの能動的統合利用方式,(2)ストリーム処理の高効率化技術,(3)ストリームや利用者の特性に対応した適応型処理等にポイントをおき,具体的には下記の研究課題に関する研究を推進した. (1)ストリーム型情報源統合環境の構築と適応型連続的問合せ処理:連続的問合せを用いたストリームデータの能動的な統合環境の構築を目的としており,本システムは,ストリームからの情報の到着や時間の経過に応じて動作するイベント駆動処理の機能と,ストリームデータとRDBのデータを統一的に扱う機能を有する.本年度は,到着パターンの変化に動的に対応可能な適応型の複数問合せ最適化手法を開発した.また,人工データおよび実データを用いたより詳細な評価実験を行った. (2)テキストストリームに対するコンテンツ分析手法:Kleinbergの手法をもとに,時系列テキストストリームに対する連続的トピック分析の手法を開発し,実験によりその有効性を検証した.また,移動ウィンドウ方式に基づくテキストストリーム中のトピックを手法について比較研究を行った. (3)移動軌跡データからの移動統計量抽出手法:移動オブジェクトの移動軌跡データが空間索引R-木に蓄積されている際に,マルコフ連鎖の遷移確率を効率的に求めるための手法を開発した.また,移動体位置情報がストリームとして配信される場合への拡張について,動的な移動ヒストグラムの構築手法の開発を推進した. (4)RDB上のXSLT実体化ビューのインクリメンタルな更新手法:RDBに対するXML実体化ビューがある場合のビュー更新手法を開発した.本方式では,与えられたXSLTによるビュー定義とRDBのスキーマおよび更新パターンの情報を解析し,XML実体化ビューをインクリメンタルに更新するためのスクリプトを生成し,効率的な更新処理を実現する. (5)Webアクセスログストリームに基づくWebリンク一貫性維持手法:Webリンクの一貫性に着目し,Webロボットを用いて収集されたアクセスログストリームからリンクに関する一貫性が維持されていないことを発見すると,能動的に一貫性を維持するようリンクを変更するための手法を開発した.
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