2004 Fiscal Year Annual Research Report
分散位置情報サービスと空間コンテンツ融合に関する研究
Project/Area Number |
16016216
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
有川 正俊 東京大学, 空間情報科学研究センター, 助教授 (30202758)
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Keywords | 地理情報システム / 写真データベース / 情報検索 / キャリブレーション / コンテンツ融合 / 位置情報サービス / 情報伝播 / 映像の意味構造 |
Research Abstract |
われわれの昨年度までの研究で明らかにしたように、GPSケータイ電話などでの現在の位置情報の利用の仕方は、まだ十分に洗練されたものとはなっておらず、位置情報の「意味」を体系化する必要がある。たとえば、デジタル写真のメタデータとして、カメラの位置だけを付与しても、デジタル写真に写っている対象実体を位置的に表現できておらず、メタデータとしては不十分である。われわれは、カメラの位置に加えて、方向と画角もメタデータとして加えることにより、写真に写っている対象実体に関する情報を追加でき、より精度高く・高度な情報アクセスと共有が可能となるというモデルを提案し、試作システムを開発してきた。つまり、われわれが提案するマルチメディア・コンテンツの内容記述モデルでは、位置(ロケーション)だけでなく、視点と注視点・方向・画角・世界座標と写真座標・2Dと3D・注釈(ラベル)・空間精度・可視性・対象距離・大きさ・縮尺などのより高度な空間情報の利用を仮定しており、これらの空間メタデータをマルチメディア・コンテンツの「空間スキーマ」と呼ぶことにする。 今年度は、一般ユーザがデジタル写真にカメラの位置や方向などの空間スキーマを付与する仕組み、およびその空間スキーマを通して写真の内容である注釈を3次元空間として共有・同定させることにより、新しい写真に自動的に注釈を伝播付与させ、写真の内容索引を簡便に生成する枠組みを体系化した。つまり、地図データおよびユーザが付与する注釈の地物データを空間辞書として利用することにより、映像と現実空間とを相補的にマッピングさせる現実的な枠組みを提案した。今年度の成果である、空間スキーマと空間辞書に基づく映像の空間構造化は、映像の価値・機能・再利用性を高め、インターネットという情報共有空間上で、人間が本質的に持つ表現する活動の力により、映像コンテンツ群と空間辞書が自律発展する潜在エネルギーを上昇させることにつながると考えている。
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Research Products
(6 results)