2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16016228
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 完次 東京大学, 人工物工学研究センター, 教授 (50031133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 宗兵衛 京都産業大学, 経済学部, 教授 (40224240)
八杉 満利子 京都産業大学, 理学部, 教授 (90022277)
馬場 靖憲 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (80238229)
藤井 信忠 東京大学, 人工物工学研究センター, 助手 (80332758)
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Keywords | 実世界ジレンマ / 共創 / 意思決定問題 / 制度設計 / 限定合理性 / 創発 |
Research Abstract |
本年度は、(1)実世界ジレンマ問題解決のための共創的意思決定の理論構築を行った後、(2)リサイクル社会システムのモデル化と経済的均衡解析、(3)リサイクル社会システムの被験者実験による検証、(4)リサイクル社会システムのマルチエージェント・シミュレーション、という3つの分担課題に分かれて研究を推進した。各分担は具体的には以下の通りである。 (1)実世界ジレンマ問題解決のための共創的意思決定の理論構築:実世界では、意思決定システムの全体の目的が未確定であったり、システムがおかれている環境が変動したり、さらに、行動主体が合理的であるとは限らないことがしばしばあるために、個と個、個と全体、システムの内と外の間で様々なジレンマが顕在化する。このような不完全情報下での実世界ジレンマに対して、共創的意思決定の概念にもとづいた問題解決法の構築を行った。 (2)リサイクル社会システムのモデル化と経済的均衡解析:実世界ジレンマの具体例としてリサイクル問題をあげる。生産者、消費者、処理業者、廃品回収ディーラーの4者の行動主体から構成されるリサイクル社会システムをモデル化した。行動主体の利益およびシステム全体の利益の評価を行い、ジレンマ解消のために、いずれの主体が回収するのが適切なのかを求めた。このとき基礎理論としてマーケットマイクロストラクチャー理論を採用した。 (3)リサイクル社会システムの被験者実験による検証:現実の人間は理論的に仮定された行動主体のように合理的に振舞うとは限らない。実験経済学の手法である被験者実験を行うことにより、均衡理論から導出される価格と利益の比較検証を行い、限定合理性の考察を行なった。 (4)リサイクル社会システムのマルチエージェント・シミュレーション:行動主体を自律エージェントとして記述し、リサイクル社会システムをマルチエージェントシステムとしてモデル化した。計算機実験により、システムの振る舞いを観察するとともに、理論解と被験者実験結果とをあわせて行動主体の役割を分析した。
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Research Products
(5 results)