2004 Fiscal Year Annual Research Report
「間(ま)」を合わせる共創型インタフェースの設計原理に関する研究
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16016233
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
三宅 美博 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (20219752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野澤 孝之 独立行政法人大学評価・学位授与機構, 評価研究部, 助手 (60370110)
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Keywords | ヒューマンインタフェース / 共創システム / 認知的時間 / タイミング制御 / 間 |
Research Abstract |
「間(ま)」を合わせることは人間同士の協調作業において不可欠であるが、この「間」が合うことは物理的な同調とは異なっている。そして人間と機械の協調においても、従来の物理的リアルタイム性に基づく協調に加えて、認知的同時性としての「間」の共有も考慮されなければならないだろう。しかし、現状のインタフェース技術は、物理的同時性に基づく協調をめざしており、人間にとっての「間」を考慮に入れたシステムはまだ存在しない。そこで本研究は、このような「間」の共創機構を明らかにし、「共創型インタフェース」の設計論を確立することを目標としている。 申請者は、平成14年度から公募研究として本領域に参加してきた。そして、同期タッピング課題において、予測的タイミング制御として観察される「間」の創出機構を心理学的に解析し、脳高次機能が関与する認知的過程と関与しない身体的過程(身体性)として創出機構が二重化されていることを明らかにした。15年度には両過程に対応するダイナミクスの時系列解析も進めた。本年度(平成16年度)は、このような準備状況を踏まえて、人間2人の協調タッピングにおいて「間」の共創プロセスを計測し、数理的にモデル化することに着手した。 具体的には、協調タッピング実験において「間」の共創過程の実験的解析と共創過程の数理的モデル化を進めた。特に、協調タッピングにおける非同期量の時間発展の相関解析を行なうことで、時間スケールの異なる二重化されたダイナミクスからなるモデルを構成した。さらに、このモデルと人間の協調タッピング系を再構成し、その妥当性も評価した。次年度は、最終年度として、これらの成果を踏まえて共創型インタフェースの設計原理を確立することになる。
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