2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16016238
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Research Institution | National Graduate Institute for Policy Studies |
Principal Investigator |
隅藏 康一 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (80302793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 俊也 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (00334350)
生越 由美 政策研究大学院大学, 政策研究科, 助教授 (10377129)
上條 由紀子 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (70361681)
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Keywords | 標準化 / 特許 / 知的財産権 / パテント・プール |
Research Abstract |
情報通信技術は、公的な(デジュール)あるいは事実上の(デファクト)標準となることで広く普及するため、標準化団体における特許の取扱いルールを明確化すること、ならびに特許権の集中管理により適正に特許を流通させることが重要である。標準化団体における知的財産権取扱いルールとして、権利保有者は、標準に採用されたら、RAND条件(合理的かつ非差別的な条件)でライセンスを供与することを宣言するというルールになっている。 本年度は、情報通信技術の効率のよい特許流通スキームとして期待されているパテント・プールについて、画像圧縮技術のMPEGに関するパテントプール、ならびに第三世代携帯に関する3Gパテントプラットフォームライセンスという2つの事例に着目し、その形成・運用などでどのような問題が生じているかを調べた上で、反トラスト法上の問題のクリア、アウトサイダーを生みにくい方式などを検討した。 また、情報通信技術の知的財産権について考察する前提として、ソフトウェア特許の権利範囲についてどのような判断がなされているか、裁判例にもとづき検討した。 次年度は、以下のような方針で調査研究を行う。引き続き、パテント・プールのベスト・プラクティスを提言するための調査研究を行う。また、パテント・プールを構築すべき新興技術分野について調査し、具体的スキームを提案する。ソフトウェア特許の権利効力については、研究者の感覚と裁判所の判断がずれているケースが他にもあると考えられ、国内外の事例を収集するとともに、望ましい権利範囲のあり方を提案する。さらに、情報通信関連企業の知的財産部と他の部署が、標準化に向けた取り組み、訴訟対応などに関して、どのようにコミュニケーションしているかを調査し、そこにおいて生じている問題点を抽出することによって、情報通信関連企業における特許戦略のベスト・プラクティスを考える。
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Research Products
(3 results)