2004 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェア共同開発における変更管理モデルと支援環境の開発
Project/Area Number |
16016239
|
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
落水 浩一郎 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (10022310)
|
Keywords | ソフトウェア開発効率化・安定化 / メタモデル / UML / Javaプログラム / ソフトウェアプロセスモデル / 依存関係 / インパクトアナリシス / 変更ワークフロー自動生成 |
Research Abstract |
共同ソフトウェア開発で生成されるUML文書群やJavaプログラム群を対象として、矛盾箇所の検知とその解消支援に関して以下の4つの成果を得た。 (成果1)UMLモデル要素間の依存関係の自動生成に関して、メタ関係、メタ要素、照合規則を構成要素とするメタモデルを完成した。このうち、今年度は照合規則を新たに定義した。照合規則とは、すべてのUMLモデル要素の組み合わせに対して、UML図面におけるモデル要素の一致を判定する規則である。 (成果2)エレベータ制御システムの分析・設計例を題材として、メタモデルの有効性の評価を行った。「波及したモデル要素群がどの程度一致するか」、「モデル要素の波及順序は一致するか」の2点について評価実験を実施したところ、「波及したモデル要素の一致」については十分な能力があるものと判断された。 (成果3)メタモデルにより生成されたモデル要素間の依存関係を変更順序に変換するには作業モデル(ソフトウェアプロセスモデル)が必要である。今年度は、中間成果物の生成順序に注目した統一プロセスを、中間成果物の生成順序関係を保存したまま、役割の観点から再整理したソフトウェアプロセスモデルを定義した。この作業モデルに基づく活動の実行履歴と、成果1で生成される依存関係を組み合わせることにより変更作業支援のワークフローを自動生成する見通しである。 (成果4)Javaプログラムを対象として、継承と参照の関係を解析し、さらに、参照関係のうち協調関係にあるものを特定するアルゴリズムを開発することにより、UMLモデル要素に対応するJavaプログラム部分を特定する技術を開発した。 (今後の課題)複数の変更スレッドを同時実行し、共有情報等の存在による生じる同期制御方式を考案することは今後の課題である。また、変更の権限等を考慮したアクセス制御方式についても今後の課題である。
|