2004 Fiscal Year Annual Research Report
人間とロボットの相互学習系におけるインタラクションの創発・発達に関する研究
Project/Area Number |
16016252
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾形 哲也 京都大学, 情報学研究科, 講師 (00318768)
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Keywords | 人間機械協調 / 記号接地問題 / プリミティブ / 擬似シンボル / RNNPB |
Research Abstract |
従来のロボットによる人間との対話協調では、その対話シナリオ設計が大きな課題であった。なぜなら文脈に強く依存したロボット・人間の状態を、現実対話で利用される単語・言語へ変換することは、一般に曖昧性の高い困難な問題(記号接地問題)になるためである。この研究では、文脈依存した動的情報を分節化することで"擬似シンボル(プリミティブ)"を構築し、インタフェースに応用する方法について検討している。 実験課題としてナビゲーションタスクを設定した。これは目隠しをされた人間がロボット、ロボビーと手をとり移動する課題である。ロボットはセンサにより、近傍情報を取得可能だが、全体地図は学習により取得する必要がある。人間は目隠しのため近傍情報は得られないが、事前に実験コースを見て全体地図をイメージ出来る。このように、両者共に取得情報を制限されているため、コンテキスト情報が課題遂行の上で非常に重要となる。 ロボット学習には、従来のRNNにパラメータバイアス(以下PB)入力を追加したRNNPB(谷、2003)を採用した。BPTT法により得られるPB入力エラーを、時間的に移動平均してPB値の修正量とする。この結果PB値変化は、入力シーケンスを「RNNの予測能力に基づいて分節化した表現」となる。PB値を閾値処理して4状態(番号)に変換し音声で掲示した。人間は音声を聞きながら、最も効率的に環境内を移動できると推測される番号を、アーム搭載のタッチセンサで入力する。 事前に学習したRNNPBを搭載したロボットと人間6人との協調実験を行った。コース1周のタイムを競ってもらい、各施行後にアンケートをとった。実験の作業結果、音声表現が持つ曖昧な意味を各被験者が作業中に理解し(擬似シンボルの共有)、ロボットと適切な協調を行うことが出来た。これは実験後のアンケートにおいても確認された。
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