2005 Fiscal Year Annual Research Report
プログラムの実行戦略を考慮した高スループットコンピューティングに関する研究
Project/Area Number |
16016264
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
藤川 和利 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教授 (30252729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂原 秀樹 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (20206577)
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Keywords | ワークフロー / グリッドシステム / タンパク質立体構造予測 |
Research Abstract |
多くの科学技術計算では,一連の処理の中で最終的に精度の高い結果を得るために,途中結果から計算パラメータを調整し直し,再度実行するといった試行錯を行うことが多い.そこで,本研究課題では科学術計算における試行錯誤をグリッド環境で効率的に行うための高スループットコンピューティングシステムについての研究開発を行った. 本研究課題では,タンパク質立体構造予測を対象アプリケーションとして扱い,タンパク質立体構造予測を行う研究者が短時間で精度の高い結果を得ることのできる環境の提供を目標とした.現在,タンパク質立体構造予測手法は確立されておらず,試行錯誤によってタンパク質立体構造予測を行なわれている.このため,立体構造予測を行うツール/プログラムに対して入力パラメータの変更が,ツール/プログラムの実行途中に得られた立体構造の結果により,しばしば行われる.また,複数のツール/プログラムを組み合わせて立体構造を予測することが多く,個々のツール/プログラムの結果により,組み合わせを変更したり,同じツール/プログラムを何度か繰り返し実行することがある.このため,利用者と高スループットコンピューティングシステムとの間に対話的な操作を実現し,ツール/プログラムの実行順序やパラメータ設定を定義できる機能が必要であると考え,複数のツール/プログラムの実行順序の定義や,それぞれのツール/プログラムにおける入力パラメータの定義を容易に実現することのできるワークフロー支援機構を提案した. 本研究課題で開発したワークフロー支援機構では,実行中のジョブに対するワークフローを変更し,即座にその変更を反映することが可能となるよう,変更部分のみを再実行できるようにしている.これにより研究者が任意の時点でワークフローを変更することができ,最終的なタンパク質立体構造予測の結果も精度を高めることが実現された.
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