2004 Fiscal Year Annual Research Report
電子商取引の制度的プラットフォーム構築に関する研究
Project/Area Number |
16016291
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
岡田 仁志 国立情報学研究所, 人間・社会情報研究系, 助教授 (10333543)
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Keywords | 電子商取引 / 電子マネー / ICカード / Critical Growth Factors / 個人情報保護 / モバイルコマース / デジタルコマース / 電子地域通貨 |
Research Abstract |
1.電子的価値の相互交換のための制度的プラットフォーム構築に関する提案 電子マネー、電子地域通貨、電子ポイント、マイレージなど異なる電子的価値類を統合的に交換するためのプラットフォームを構築する際の制度的な課題について検討した。商業的活動と非営利活動とのバランスを図るため、デファクトスタンダードとして普及している非接触ICカード型の交通カードに、非営利活動のための電子地域通貨などを格納するための記憶領域を確保することの意義について論じ、法制度化を提案した。 2.電子社会インフラ構築における法制度的課題に関する国際調査 電子商取引インフラの構築における国ごとの制度的課題の相違について、各国をヒアリング調査した。その結果、政府主導によるセキュリティ対策や個人情報の管理と活用を好む国においては、電子マネーなど決済インフラの統合が政府の主導ですすめられるのに対し、民間の競争によるセキュリティの向上や個人のプライバシーを重視する国では、電子マネーの統合が緩やかな提携によってすすむ傾向が認められた。 3.電子商取引のクリティカル・グロース・ファクター(CGF) 発展途上国が電子商取引によって国づくりを行うことを支援したいと考え、電子商取引の発展過程とクリティカルな成功要因を発見するための統計分析を実施している。電子商取引の成長要因を、(1)Webサイトに関する要因、(2)消費者に関する要因、(3)民間部門に関する要因、(4)公的部門に関する要因、(5)技術およびインフラストラクチャーに関する要因、および(6)社会的な要因に分けて仮説を設定する。これら6要因の最適な組み合わせが電子商取引のCGFを構成するとみて、分析をすすめている。
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