2004 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージ機能の人為的制御によるリーシュマニア症治療法の確立
Project/Area Number |
16017212
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
樗木 俊聡 秋田大学, 医学部, 教授 (50233200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 信治 秋田大学, 医学部, 助教授 (70199800)
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Keywords | IL-15 / IRF-3 / 炎症性細胞 / 肉芽腫 / IFN-γ |
Research Abstract |
平成16年度は、マクロファージの機能不全や集積不全がリーシュマニアの増殖におよぼす影響を明らかにすることを目的として研究を行い、以下の成果を得た。 1)リーシュマニア(L.major)5x10^6を野生型、IL-15^<-/->、IRF-3^<-/->マウス足蹄部に感染後、経時的に足蹄部の腫脹を測定した。野生型マウスでは感染後14週をピークにした足蹄部の腫脹が観察されたが、IL-15^<-/->およびIRF-3^<-/->マウスでは同腫脹が比較的軽微であり、感染部位へのマクロファージを主体とする炎症性細胞の浸潤や肉芽腫の形成も低下していた。 2)足蹄部や所属(膝窩)リンパ節の虫体数を野生型マウスと上記遺伝子欠損マウスで比較検討した。足蹄部における虫体数はIL-15^<-/->およびIRF-3^<-/->マウスで有意に低下しており、特にIRF-3^<-/->マウスの膝窩リンパ節ではまったく検出されなかった。 3)感染14週後、各々のマウスの脾臓および膝窩リンパ節から単核球を調整して、L.major死菌の二次刺激に対する応答性を検討した。野生型マウス脾臓由来のT細胞が強い増殖反応とIFN-γ生産を示したのとは対照的に、IL-15^<-/->、IRF-3^<-/->マウス由来のT細胞は増殖およびIFN-γの生産が有意に低下していた。 以上の結果から、IL-15およびIRF3がL.majorの感染成立に重要な役割を担っていることが明らかになった。IRF3^<-/->マウスではIL-15の生産が低下していることが報告されているが、IRF3^<-/->マウスでより劇的なフェノタイプを示すことから、IRF3によって調節されているIL-15以外の因子の同定と解析も今後進めたい。
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