2004 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜組織によける自然抗体・IgA抗体の産生制御及びB-1細胞の維持活性化機構
Project/Area Number |
16017227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高木 智 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (10242116)
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Keywords | 粘膜免疫 / B細胞 / 抗体産生 / 免疫グロブリン / IgA / 感染防御 / サイトカイン / サイトカイン受容体 |
Research Abstract |
1)B-1細胞コンパートメントの恒常性維持機構:IL-5Rα欠損マウスでみられるB-1細胞数の減少及び細胞径縮小が、発生・分化異常に因るものかあるいは成熟B-1細胞の維持・活性化異常に因るものか検討した。CFSE蛍光標識して野生型マウスに移入し生存を比較したところ、IL-5Rα欠損B-1細胞の生存が著しく障害されていた。RAG2欠損マウスに移入し恒常性維持のための自己増殖を検討したところ、IL-5R欠損B-1細胞で著しく障害されていた。IL-5/IL-5R系はB-1細胞の生存とともに恒常性維持のための増殖を促進し、B-1細胞のコンパートメントサイズの維持、自然抗体の産生維持に重要な作用を持つことが明らかとなった。 2)B-1細胞活性化におけるIL-5/IL-5R系の機能:細胞径縮小が認められるIL-5Rα欠損B-1細胞の機能について検討した。LPSあるいは抗CD40抗体刺激による細胞増殖及び抗体産生がIL-5Rα欠損B-1細胞で低反応性であった。IL-5Rα欠損B-1細胞でCD40の発現が低く、抗CD40抗体に対する低反応性の原因の一つと考えられた。野生型マウスにLPSを経口投与すると糞便中IgA値が上昇したが、IL-5Rα欠損マウスでは糞便中IgA値に変化は認められなかった。腸管にてB-1細胞がLPSにより活性化される過程でIL-5/IL-5R系の作動が重要であることが示された。さらにCD40の発現を維持することでB-1細胞の活性化を制御することが示された。IL-5Rα欠損マウスでは腸管IgA値が低下していることから、IL-5によるB-1細胞の維持と抗体産生誘導が、粘膜を介して侵入する病原性微生物の感染防御に関わっている可能性がある。
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Research Products
(6 results)