2004 Fiscal Year Annual Research Report
感染型食中毒菌による感染症と主要病原因子(毒素)遺伝子発現の開係
Project/Area Number |
16017246
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西渕 光昭 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (50189304)
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Keywords | 腸炎ビブリオ / 耐熱性溶血毒 / 転写 / プロモーター / mRNA |
Research Abstract |
Transcription-reverse transcription concerted (TRC)法を適用し、腸炎ビブリオのtdh遺伝子、trh1遺伝子、およびtrh2遺伝子のmRNAを特異的かつ迅速に定量検出するシステムを開発した。1,000〜10,000,000コピーの範囲で標的mRNAを定量的に検出できた検出限界(下限)は100菌体であった。tdh遺伝子、trh1遺伝子、およびtrh2遺伝子を保有する代表103菌株について上記TRC法で検査したところ、遺伝子の保有とmRNAの検出(定性)結果は完全に一致した。多くの菌株については、TDH(毒素)の産生量とmRNAの産生量は相関関係が認められた。後にこれらのTRC法を改良し、より迅速に(1,000コピーを11〜15分)検出でき、またtrh1遺伝子とtrh2遺伝子を区別することなく検出できるシステムも開発した。 trh遺伝子(trh1遺伝子およびtrh2遺伝子)の転写がtdh2遺伝子の転写に比べて低い理由を明らかにするために、まずtrhプロモーターの正確な位置を同定した。転写レベルが低いため、primer extension法では成功せず、真核細胞の解析に用いられているcRACE (circular [or concatemeric] and rapid amplification of the cDNA end)法を適用して成功した。tdh遺伝子、trh1遺伝子、およびtrh2遺伝子のプロモーター領域およびすぐ下流のinverted repeat配列(ただしtrh2遺伝子下流には存在しない)を欠失あるいは置換した変異体を作成し、転写への影響をlacZ融合遺伝子の系を用いて測定した。その結果、trh遺伝子の転写が低いのはプロモーター領域の配列が原因であることが明らかになった。
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Research Products
(4 results)