2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16017248
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
縣 保年 京都大学, 医学研究科, 科学技術振興助教授 (60263141)
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Keywords | 遺伝子 / 感染症 / 癌 / 発現制御 / 免疫学 |
Research Abstract |
1)E2Aによる抗体遺伝子の転写誘導とクロマチン構造変化の解析、および体細胞突然変異導入の試み 遺伝子導入効率の高いBOSC23細胞にE2A転写因子を発現させると、E2Aが内在性Igκ遺伝子の可変領域に結合し、ヒストンH3、H4のアセチル化とH3-K4のメチル化の上昇を介して転写を誘導することを見出した。そこでE2AとともにAIDを発現させ、内在性Igκ遺伝子で体細胞突然変異が導入できるか解析したが、変異は導入されなかった。このことから、E2Aの単独発現では転写とヒストンアセチル化の誘導レベルが充分でないことが示唆された。 2)E2Aによってリクルートされるヒストンアセチル化酵素の同定 そこでE2Aによって動員されるヒストンアセチル化酵素を検索したところ、CBP/p300がE2Aと結合し、さらにE2AによってIgκ遺伝子可変領域にリクルートされることを見いだした。そこで、E2Aと共にCBP/p300を過剰発現させたところH3-K18のアセチル化が特異的に促進され、転写が増強されること、逆にsiRNAによって内在性のCBP/p300をノックダウンするとH3-K18のアセチル化が低下し、転写も低下することを見出した。以上の結果を踏まえて、CBP/p300の過剰発現により転写とヒストンアセチル化の誘導レベルを上昇させた状態でE2AとAIDを共発現させ、内在性抗体遺伝子で体細胞突然変異が誘導されないか、逆に突然変異を誘導できる細胞株でE2AやCBP/p300を低下させ、変異の導入頻度が低下しないか引き続き検討を行なっている。
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