2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16017253
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
熊ノ郷 淳 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10294125)
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Keywords | セマフォリン / Sema4A / Sema4G / Th1 / Th2 |
Research Abstract |
セマフォリン分子群は当初神経系の発生におけるガイダンス因子として同定されてきた分子群であるが、「免疫セマフォリン分子群」と呼ばれる免疫系で機能する分子群の存在が本計画研究を通じて明らかになってきた。我々は現在「免疫セマフォリン分子群を分子基盤とした宿主免疫応答の人工的操作」という新たなパラダイムの確立を目指して本研究計画を遂行中である。本年度の研究計画により以下のことが明らかとなった。 1)セマフォリンクラス4型に分類される膜型のセマフォリン分子Sema4Aが、従来から知られていた樹状細胞での発現に加え、Th1分化に伴いTh1細胞特異的に発現誘導されることが明らかとなった。 2)Sema4A欠損マウスを用いた免疫解析から、Sema4A欠損下ではP.acnesにより誘導されるTh1応答が低下する一方、N.brasiliensisにより誘導されるTh2反応は亢進していることよりSema4AのTh1/Th2制御への関与を示すとともに、抗原でパルスした樹状細胞の移入実験により樹状細胞に発現するSema4AがT細胞プライミングに関わるのに対して、Th1細胞に発現誘導されるSema4AはTh1反応の促進に寄与することを新たに見出した。 3)マラリア感染時肝臓で発現上昇することで知られるSema4Gの欠損マウスを作製したところ、Sema4G欠損下では肝臓におけるNK細胞数が優位に低下していることを見出した。 以上今年度の本研究によりSema4A及びSema4G等のセマフォリン分子の免疫系での重要な役割が確認された。今後免疫調節分子としてのセマフォリン分子群を分子基盤とした効果的なワクチンや感染症治療を目指し更に研究を進めていく予定である。
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Research Products
(4 results)