2004 Fiscal Year Annual Research Report
レプリコンを用いたC型肝炎ウイルス・宿主間相互作用の分子機序に関する研究
Project/Area Number |
16017262
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀田 博 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40116249)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長野 基子 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (90304089)
扇本 真治 神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80292853)
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Keywords | C型肝炎ウイルス / HCVレプリコン / NS3 / セリンプロテアーゼ / p53癌抑制蛋白 / トランスアクチベーション / ELKS蛋白 / 細胞内輸送 |
Research Abstract |
C型肝炎ウイルス(HCV)の自然感染系に近似したHCV RNAレプリコンや個々のHCV蛋白発現系を用いて、HCV蛋白と宿主蛋白の相互作用について解析した。まず、NS3蛋白の細胞内局在がHCV株によって異なり、細胞質と核に斑点状に局在するものと細胞質にび漫性に存在するものがある事、及びその細胞内局在の差異は1〜数アミノ酸残基の変異により規定されている事を明らかにした。さらに、セリンプロテアーゼ活性についてはこれら2種類の細胞内局在を示すNS3の間で有意な差は認められなかったが、p53癌抑制蛋白との結合は斑点状NS3のほうがび漫性NS3より有意に強く、それに伴ってp53トランスアクチベーション機能をより強く阻害する事がわかった。さらに、NS3の種々の欠失変異体及び点変異体を作製してp53との結合について調べ、NS3の106位のロイシンをアラニンに変異させるとp53との結合が著しく減弱することを明らかにした。このL1O6A変異によりNS3のセリンプロテアーゼ活性も著しく減弱した。一方、p53の他にNS3と結合する宿主蛋白を同定するためにyeast two-hybrid法でヒトcDNAライブラリーをスクリーニングし、Rab6結合蛋白及びIKK複合体サブユニットとして近年報告されたELKS蛋白をNS3結合蛋白として同定した。NS3とELKS蛋白の結合はHCV RNAレプリコン複製Huh-7細胞でも認められた。また、NS3はRab6依存性細胞内輸送を亢進させる事、その亢進の程度はELKS蛋白との結合の強さと相関する事も明らかにした。また、次年度の研究に向けて、これまでのHCVサブゲノミックRNAレプリコン実験系に加えて、全長HCVゲノムレプリコン実験系を構築した。
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Research Products
(6 results)