2004 Fiscal Year Annual Research Report
ジーントラップ・マイクロアレイを利用した感染宿主応答の分子遺伝学的解析
Project/Area Number |
16017263
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
石田 靖雅 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (10221756)
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Keywords | 樹状細胞 / ノックアウト・マウス / ES細胞 / マイクロアレイ / 感染症 / UPATrap / nonsense-mediated mRNA decay (NMD) / 免疫応答 |
Research Abstract |
本研究では、病原微生物や悪性新生物に対する有効な免疫応答を引き起こし、かつ自己成分に対する免疫寛容の維持においても極めて重要な役割を果たしていると考えられるようになった樹状細胞(dendritic cells, DCs)に対し、ゲノム科学の新しい手法を用いた網羅的な解析を行っている。 現在、ゲノム科学分野の研究者の多くは、標的細胞中で発現されていない遺伝子をランダムなトラップによって確実に不活性化することは困難だと考えている。今回我々は、新たに開発した手法「UPATrap」を利用してnonsense-mediated mRNA decay (NMD)と呼ばれるmRNAサーベイランス機構を抑制すれば、遺伝子トラップのこの問題点を完全に克服することができる、という事実を見出した。我々が開発した新手法は、2004年9月に提唱された「The Knockout Mouse Project」(遺伝子トラップと遺伝子ターゲティングの手法を組み合わせ、マウスES細胞中の全遺伝子を今後5年以内に破壊する、という壮大なプロジェクト)の遂行にとり、大きな障害となっているステップを乗り越えるのに役立つと考えられる。 この「UPATrap」法により、標的遺伝子のスペクトラムとベクターの挿入部位の両者に「偏り」が存在しない理想的な遺伝子トラップを行い、トラップされた遺伝子断片を用いてマイクロアレイを作製した。このようなマイクロアレイを利用すれば、おびただしい数の遺伝子の機能を効率良く、迅速に解明することが可能になる。現在、この「UPATrap型マイクロアレイ」を用い、マウスの免疫担当細胞やリンパ組織で特異的に発現されている新規遺伝子を探索中である。
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[Journal Article] Cross-linking of CD45 on suppressive/regulatory T cells leads to the abrogation of their suppressive activity in vitro2005
Author(s)
Shimizu, J., Iida, R., Sato, Y., Moriizumi, E., Nishikawa, A., Ishida, Y.
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Journal Title
The Journal of Immunology 174・7(in press)