2004 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルスゲノムRNAのウイルス粒子への選択的取り込み機構
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16017267
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
坂口 剛正 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (70196070)
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Keywords | ウイルス / センダイウイルス / 粒子形成 / ヌクレオカプシド / ウイルス様粒子 / AIP1 / Alix / C蛋白質 / RNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、RNAウイルスのウイルス粒子へのゲノムRNA取り込み機構、特にヌクレオカプシド蛋白質とゲノムRNAとの特異的相互作用を解明することである。 1.センダイウイルスのウイルス様粒子(VLP)産生系の確立 センダイウイルスの構造蛋白質を発現するプラスミドを、複数組み合わせて、実際のウイルス粒子と同等の密度と大きさをもつVLPを作る系を確立した(Sugahara et al.)。 2.N蛋白質と細胞内RNAとの結合 VLP産生系でN蛋白質を発現すると細胞内にヌクレオカプシド様のらせん状構造物が生成し、さらにそれがVLPの一部として細胞から出芽した(Sugahara et al.)。酵母でN蛋白質を単独で発現すると、同様に酵母の細胞質にらせん状構造物が生成した(Juozapaitis et al.)。このことからN蛋白質は非特異的にRNAと結合することが明らかになった。 3.センダイウイルスC蛋白質と相互作用する宿主蛋白質の同定 VLP産生系で、センダイウイルスC蛋白質を同時に発現すると出芽効率が亢進することを見いだした。C蛋白質に粒子形成・出芽を促進する活性があることがわかった(Sugahara et al.)。C蛋白質と相互作用する蛋白質を酵母two hybridシステムで検索して、AIP1/Alixと相互作用することを見いだした。さらにAIP1/Alixはセンダイウイルスの出芽に重要な働きをすることが明らかになった(Sakaguchi et al.)。 来年度は、さらにウイルスでの特異的なRNA取り込みと比較してヌクレオカプシドの形成を研究する。また、C蛋白質の出芽促進に関連する領域を解明する。
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